県立下館工業高等学校 荒巻翔教諭
働き方改革についての教職員インタビュー
第2回
県立下館工業高等学校
荒巻 翔 教諭
- 担当教科:工業(建築)
- 校務分掌:教務主任
- 部活動:バレーボール部
- 教員歴:9年

DX化の取り組みが、より魅力的な職場環境を作る
教務主任として学校運営全般に携わりながら、バレーボール部の指導にも熱心な荒巻先生。着任後から現在に至るまでの働き方の変化や実感について、お話しをいただきました。
DX化により、業務の効率化を図っています。
現在取り組まれている働き方改革について教えてください。
具体的には、Googleスプレッドシートを活用して年間行事予定表、連絡掲示板、欠席情報入力などを共有・連動させています。これらにより、教務日誌は印刷するだけで完結できますし、学校等欠席者・感染症情報システムを容易に報告することができるようになり、業務が大幅に簡略化されました。
工業高校には、DXに強い専門の先生がいるため、システムの作成や不具合の修正を迅速に行える環境があります。今回のスプレッドシートについても、情報技術専門の先生が短時間で作成しており、業務負担軽減に繋がっています。
DX化に役立つソフト・ツール
Googleスプレッドシート
無料オンライン表計算ソフト。複数人での共同編集が可能。
Googleフォーム
無料オンラインフォーム作成ツール。アンケートや参加申し込みなど、多用途に利用可能。
Googleカレンダー
無料スケジュール管理ツール。様々なデバイスからアクセスし、編集・共有できる。
部活動指導においても効率化への意識が高まっていると感じる時があります。
働き方改革が進んでいると実感するのはどんな時ですか?
退勤については、どんなに遅くとも19時には帰るようにしています。職員室も19時から19時半までには閉める雰囲気になっています。部活動の指導においても、ただ長時間練習するのではなく、いかに効率を上げて練習の質を高めるかを意識するようになりました。これは心のゆとりにも繋がっています。昔のように時間をかければ結果が出るというものではないと実感したことで、効率化への意識が高まり、働き方に良い変化が生まれたと感じています。
現場の先生方の日々の頑張りや仕事の大切さを伝え、周囲の理解を深めていくことが必要だと思います。
働き方改革を進める上で大切なことは何ですか。
下館工業高校のように、生徒の資格取得や部活動での好成績など、目に見える成果の共有は先生方のモチベーションアップに有効だと感じています。次に、若手教員が安心して長く働ける環境整備も必要です。特に3年目までの研修充実や、同期とのつながり強化が大切だと考えています。そして、DX化による事務作業の効率化も不可欠です。これにより、先生方の負担を減らし、生徒指導や授業準備に集中できる時間を増やすことが、より魅力的な職場環境を作ることにつながると考えています。
校長先生からもお話を伺いました
先生方の帰宅時間が早まったことについて、どのように感じていますか。
在校等時間が縮減されていることで、心のゆとりは以前より出てきているように感じています。特に若い先生方は今の働き方を「普通」と捉えているため、この状況がこれからのスタンダードになっていくのかもしれません。
工業高校の教員を目指す大学生に向けて、メッセージをお願いします。
工業高校では、専門分野の指導ができ、資格取得のサポートも行えます。学習指導だけでなく、部活動などにも力を入れることができるため、生徒たちの成長を間近で感じられる魅力的な職場です。卒業生が教員として母校に戻ってくるケースも多く、活気ある環境でもあります。工業を学ぶ生徒は地域の企業等から必要とされ、進路指導を通して生徒の自己有用感を育むことができるという点も工業高校ならではの大きな特徴といえます。
