県立水海道第一高等学校 西元重雄教諭
働き方改革についての教職員インタビュー
第8回
県立水海道第一高等学校
西元 重雄 教諭
- 担当教科:理科
- キャリア探究部長
- 教員歴21年

教員の負担軽減に、働き方改革の効果を実感
2023年にキャリア教育推進連携表彰最優秀賞を受賞した「海高式探究プログラム(水海道一高の高1・2年次の総合的な探究の時間における学習プログラム)」に、中心となって取り組まれている西元教諭。水海道一高で実践されている様々な働き方改革について、お話を伺いました。
DX化の推進を中心に、教員の働き方改革が進められています。
現在取り組まれている働き方改革について教えてください。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、メールやSlack、ワークフローシステムの導入で校務の大部分がデジタル化され、業務が効率化しています。職員朝会の回数削減や議題の事前共有なども、会議の短縮に効果を上げています。また、探究活動は「キャリア探究部」が運営し、学年担任以外の教員が部長を担当することで業務分散を図っています。外部との連携を活用し、教員は伴走者として関わるため、負担が軽減されています。その他にも、部活動顧問の希望制や授業交換による休暇取得のしやすさなど、働きやすい職場づくりが進められています。
キャリア探究部とは?
生徒の探究活動を推進するために設けられた校務分掌で、以下のような目的と機能を持っています。
業務分担による負担軽減
探究活動の計画運営を学年担任以外の教員が担当し、業務の集中を回避。
探究時間の確保
年度初めに授業交換を行い、隔週2コマ連続の時間枠を設定。
外部連携による探究支援
企業や研究機関と連携し、教員は生徒の伴走者として支援。
業務効率化の具体的な成果が現れているときに実感します。
働き方改革が進んでいると実感するのはどんな時ですか。
業務効率化の具体的な成果が現れている時に実感します。たとえば、紙での押印作業がなくなったり、Slackやワークフローシステムによって事務手続きがスムーズになった時です。また、職員朝会の効率化や、探究活動を専門部署が担当する体制も、教員の負担軽減につながっており、働き方改革の効果を実感しています。さらに、教員が計画的に有給休暇を取得できるようになっていることも、大きな変化のひとつです。
教員が無理なくやりがいを持てる仕組みづくりが不可欠です。
働き方改革を進める上で大事なことは何ですか。
業務の効率化だけでなく、業務の見直しと分担が重要だと考えます。例えば、行事の精選や、探究活動の外部連携による負担軽減、部活動の顧問契約制のように、教員が無理なくやりがいを持てる仕組みづくりが不可欠です。また、校長など管理職が率先して効率的に働く姿勢を見せることも、組織全体の働き方改革を後押しする大きな要因となっています。また、教員同士のサポート体制の充実も鍵となります。
新しいアイデアを持つ若い力が求められています。
教員を目指す若者へのメッセージをお願いします。
教員の仕事は、生徒の成長を間近で感じられる、非常にやりがいのある職業です。大変な面もありますが、それ以上に、生徒と共に感動を分かち合える喜びがあります。やりたいことを実現し、自分の専門性を活かして働ける場でもあり、成長のチャンスも豊富です。教育現場は変化と進化を続けており、新しいアイデアを持つ若い力が求められています。教職に関心のある方には、ぜひ前向きに挑戦してほしいと思います。