令和6年5月 教育長定例記者会見

教育委員会では、令和6年5月29日(水)、教育長定例記者会見を実施しました。
内容は下記のとおりです。

会見要旨

発表項目、本日は3点あります。
1つがつくばサイエンス高校への普通科の設置なんですけども、基本的に県立高等学校の募集定員については、毎年11月頃、今年度も、令和7年の入学生については、11月頃を予定しているところですけれども、なぜこの時期に、普通科の設置を公表するかと申しますと、現中学校3年生の進路に当然影響がありますので、速やかに公表をさせていただくということで、先週の定例教育委員会の公開での報告に続いて、本日の会見で説明をさせていただきたいという趣旨です。
2点目は、IBARAKIドリーム・パス事業。これはアントレプレナーシップなどの人材育成という目的で2019年からスタートして、5年が経過、今年度で6回目になります。この間、応募者数も増え、高校生などが出してくる内容も、非常に深い探究活動のものも出てきていて、いろんな評価をいただいておりますけれども、ここでちょっと、今年度の取組については変更点もございますので、そこの変更点をメインに説明をさせていただきます。
3点目が、教職の魅力向上ということで、4月には教員の確保ということでお話させていただいて、教員採用試験の志願者数の方も報道機関の皆様の方で報道していただいたところですが、確保という点では非常に重要なことであると考えています。そのために、実際にいかに教員を目指していただくか、或いは現在の学生に、教員という選択をしっかりと意欲を持って取り組んでいただけるかという視点で、2月の森作前教育長のときに、1度この取組については大まかな内容をお話しているところの、細かな取組を本日は説明させていただくということで、3点、この後、資料に基づいて説明をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

つくばサイエンス高校への普通科の設置について

(資料 「つくばサイエンス高校への普通科の設置について」「県立つくばサイエンス高等学校ハイスクールガイド」に基づき説明)

資料の1ページをご覧ください。
1点目のつくばサイエンス高校への普通科の設置についてでございます。
まず、1の内容ですけど、報道機関の皆様ご承知のとおり、現在のここまでの2回の入学生については科学技術科6学級の募集をいたしました。開校して2年目、現在高校2年生まで在籍しているところであり、単位制としております。来年度3回目の募集になりますが、2025(R7)年度入試のところになりますけども、ここで普通科を3学級で募集いたします。
これは、現在の科学技術科の6学級のうち、3学級を普通科にするというものでございまして、単位制となります。
右側にございますが文系、理系両方に対応した選択科目、文理融合型ですね。基本的には大学を目指す場合、当然すべての学部に対応できるような教育課程とします。実際の教育課程の編成、1年生・2年生・3年生にどんな科目を置いて、どういう選択科目があるのかというのは、この後の検討になっていくという状況です。
そして、つくばサイエンス高校には科学技術科の実験・実習機器、こういったものがありますので、普通科の中の総合的な探究の時間で、ぜひ探究的な活動をしていただきたいというのが普通科の1つ大きな柱になります。
もう1つ、現在の科学技術科6学級のうちの3学級を普通科にいたしますが、科学技術科3学級は継続して募集をいたします。
学級数以外は一切変更ございませんので、1年次に共通科目を受けていただいて、2年次から、ロボット、情報、建築、化学生物という4つの領域を選択していただく。1年生のときに広く浅く、サイエンスという分野でいろんなことを外部の専門家にも来ていただいて学んでいますから、そこから領域選択をして、専門的な領域に入っていくっていうのが、科学技術科の教育課程の流れになります。
今説明したような内容が、その下の普通科のコンセプトと科学技術科のコンセプトのところに記載をしてございます。
ここで配布させていただいている別冊資料(県立つくばサイエンス高等学校ハイスクールガイド)の3ページ、4ページ、特に4ページのカリキュラムをご覧ください。
この科学技術科の一番の売りは4ページの右上の水色の部分です。1年生のところで工業情報数理とか科学技術総論とかいう形で、工業という言葉は入っていますけれども、非常に広い分野で、情報処理も含めて、1年生のうちに基本的なことを学んだ上で、2年生でプログラミング技術や、領域実習と課題研究に入ります。
ここがさっきの4つの領域から選んでいくというところで、3年生までいくという形で、これは本県では唯一のカリキュラムになりますし、ある程度深さのある学び、研究ができていくような施設設備を持っているというのが、科学技術科のカリキュラム。特に、高校時代に自分で1つ何か領域のテーマを持って、座学ではなく、実験実習にある程度時間を使いたいという方には、是非希望していただきたいのが科学技術科です。
今後、学校説明会を8月、10月に予定しておりまして、当然この後、様々な形で学校から広報をしてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
設置の理由として、つくばエリアにおける普通科への進学ニーズは依然として高い傾向にあります。つくばサイエンス高校は、欠員が、表の右側、2023年度、現在の高校2年生の入学時に152人、現在の1年生の入学時に163人という欠員がありますので、当然この欠員の解消に向けての普通科の設置というところでございます。
なお、中学校卒業者数については、一番下に参考として載せてございます。一番右側に県全体の減少、逆につくばエリア(つくば市、守谷市、常総市、つくばみらい市)は、2024年から2030年までのところでの中学校卒業者数の増というような、参考の推計値になります。
つくばサイエンス高校への普通科の設置は、以上でございます。

IBRAKIドリーム・パス事業について

(資料 「IBARAKIドリーム・パス事業について」に基づき説明)

続いて2ページ目をご覧ください。
茨城ドリーム・パス事業について、先ほど冒頭で、アントレプレナーシップを持った人材の育成というお話をしました。中学生、高校生が、そういった地域課題に限らず、自分が日常生活している中で目の前に気づいたこと、そういったものも含めて、探究的な学びを現在、各学校で行っておりますので、そういった子供たちが、課題を解決するために、外部の専門家も含めて、支援をしているような形でドリーム・パス事業を実施しております。
2の過年度からの活動ということで、これは継続活動事例です。石岡第二高校が5月25日にイオンモール土浦で、茨城フェアの中で味噌ケーキパンを販売しております。これは地元の小倉味噌店さんとか、お菓子の池田屋さんなどに協力をいただいて開発し販売している。
また、下館第一高校が「ちくせいビアフェス」を昨年度開催し、これは筑西市や下館商工会議所他に、ご協力いただいて、今回、第2回というようなことでございます。勝田高校については、地元ひたちなか市で採れるサツマイモ、当然干し芋にする場合にその皮が余りますのでそこの利活用ですね。それによる石鹸の開発というようなことで、継続活動事例になります。
3の選考方法の見直し、賞の新設ということで、変更点になります。1次選考、2次選考、最終選考の数字がそこに書いてありますけども、選考終了後に、戦略チーム16件に認定証・参加賞を贈呈。1次審査通過50件を、NEXT50認定として認定証・参加賞を贈呈いたします。これはホームページで公開いたします。応募件数が最も多かった学校ですね、1つの学校からの応募が多かった学校に学校賞を贈呈します。その他の応募者全員に、応募証明書・参加賞を贈呈していきます。
4のその他の変更点といたしまして、応募支援策の充実ということで、起業家による講演や企画立案のワークショップを出張授業として学校で実施。専門家などによるワークショップの実施なんですが、まず3校、鉾田第一高校附属中学校と高萩清松、水戸桜ノ牧の3つの学校で実施いたします。また、スタートアップチャレンジ講座参加者に修了証を発行します。
(2)として、選考外チームへの支援、アイデアをより、また現実的なものにブラッシュアップし、ドリーム・パスではないまた別のコンテストへの応募をサポートしていくということで、様々な形で高校生などの取組を支援していくというような形での変更を加えていくことで、より中学生、高校生時代の探究的な学びを推進して参りたいと考えているところです。なお、令和6年度のスケジュールは、一番下の記載の通りでございます。

教職の魅力向上に係る取組について

(資料 「教職の魅力向上に係る取組について」に基づき説明)

では、3点目。3ページをご覧ください。
教職の魅力向上に係る取組についてということで、この取組にあたっての背景ですけれども、県教育委員会と大学とが連携して地域、現場ニーズに対応できる質の高い教師の継続的安定的な養成確保が当然不可欠であります。
教員の半数以上が、高校生の頃までに教員志望を決定している。これは大学を決めるにあたって、高校2年生か3年生で一般的に選択科目が出てくるときに、いわゆる文系とか理系ですよね。そこで、学部として教育学部をどうするか、或いは通常の教育学部ではない学部に行ってそこで学びながら教職を取りたいというケースも当然あるので、そうすると、高校生のときに将来の職業として、教員というのは当然意識をしています。
ただし、大学在学中に諦めてしまう学生もいるという状況もあり、やはりいかに教員を選択してもらうか。これは中高生の教員の志望の動機づけ、そして、教員になる意欲を持たせ続けるか、選考試験につなげるアプローチをしていく必要があるということから、4ページをご覧ください。県教育委員会と大学との連携例としていばらき輝く教師塾の拡充、学校体験の実施、講義への大学教員の派遣、大学におけるワークショップの開催、高校生を対象とした取組も検討、公立学校へのインターンシップの受入拡大、これはすべての校種です。あと、学校行事などへの参加体験の実施。高校への教育ゼミの設置。高校の普通科で、将来、教員を目指す高校生対象に、ゼミ、教員養成のちょっとしたプログラムを入れてくというような考え方になりますけども、大学とのプログラムの共同開発、それと、大学の授業の提供ということで、令和6年度の取組として、教師塾の対象を高校生にも拡大。4つの県立高校でゼミを実施。それと、教職に興味を持つ中高生に教職セミナーを実施ということで、次の5ページから具体になります。
まず5ページの(1)の教師塾の対象者拡大ということで、※印のところになりますけど、短大生及び大学生、大学院生、常勤講師・非常勤講師勤務経験者に新たに高校生を加えます。学校体験なども準備しており、現在、高校生の方から91名の申し込みがあるという状況です。
続いて6ページです。2つ目、県立高校における教員志望者の養成。これは教員養成系大学への進路選択で、特にもう教員を強く意識している高校生と、教員というのを選択肢に入れている高校生対象で、特に今回、日立北、太田第一、土浦第二、下妻第一の4つの高校で、様々な形での教育学部系の大学との連携した活動というのを具体的に取り入れていきます。
当然その中には大学の教授による講義なども入っておりますので、それぞれがこれまで培ってきたものと、さらに今後、特に教員を目指していく高校生の支援、バックアップを大学と連携していくというような内容でございます。
続いて7ページの(3)教職セミナーですけど、今までこの教職セミナーは中学生が対象でしたが、ここに高校生を追加します。これが一番上の丸印の下ですね。中学生に高校生の追加というようなことで記載があるかと思います。
この中で、教員PR漫画やPR動画を視聴し、教員の仕事、魅力等について思いを膨らませるとともに、グループトークなどをやっていくような形で、特に、同じ教員を目指す高校生や中学生が集まることで、どんな考えを持っているのかというのも、交流の場になりますので、そういう機会を増やして、是非、教職の魅力を伝えるだけではなくて、将来教員として学校で仕事をして行く人を、県としても育てていきたいという趣旨になります。

私からの発表項目の説明は以上です。

 

 

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