令和7年4月 教育長定例記者会見
教育委員会では、令和7年4月30日(水)、教育長定例記者会見を実施しました。内容は下記のとおりです。
会見要旨
4月の定例記者会見の発表項目は3点です。
令和7年度実施(令和8年度採用)茨城県公立学校教員選考試験の志願状況について
資料「令和7年度実施(令和8年度採用)茨城県公立学校教員選考試験の志願状況について」に基づき説明
4月18日(金)に既にプレスリリースをさせていただいておりますが、改めまして、発表をさせていただきます。全体の志願者数は、前年度から143名増加の3,054名となり、3,000名台を回復いたしました。受験資格の拡充などにより、特別支援学校の志願者が22名増加するなど、小学校以外の志願者数は増加となっております。小学校教諭の志願者数は、72名減の718名となりました。リクルートのSPI3で第1次試験を受験できる外部試験による特別選考については、200名程度を採用予定でございましたが、志願者数は84名にとどまりました。
令和7年度に実施する教員選考試験の概要を説明させていただきます。採用予定人数としましては、小学校教諭410名、中学校教諭280名など、全体で約966名を採用予定でございます。試験日程、試験会場、試験内容についてですが、第1次試験は、一般選考が5月11日(日)、水戸会場の他に5つの県外会場を設置してございます。筆記試験としては、各教科・科目の専門的知識を問う「専門教科・科目」を受験していただきます。外部試験による特別選考は既に始まっておりまして、4月21日(月)から5月16日(金)の期間に、リクルートが用意しております全国のSPI3テストセンターでSPI3の受験をしていただきます。第2次試験については、小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭、養護教諭及び栄養教諭は、7月12日(土)及び13日(日)に水戸会場で、個人面接や、模擬事業などを受験していただきます。特別支援学校教諭は、中学校教諭、高等学校教諭との併願者がいるために、翌週の7月19日(土)及び20日(日)に、第2次試験を水戸会場で、個人面接及び集団活動を受験していただきます。
今回の令和7年度の選考試験における主な3つの変更点を説明させていただきます。1点目としましては、第1次試験における教職専門試験の廃止についてです。これまで第1次試験においては、教職専門と専門教科・科目の2つの筆記試験を実施しておりましたが、今年度以降に実施する試験については、教職専門を廃止し、専門教科・科目のみを受験していただくこととなります。なお、教職専門につきましては、既に大学で履修・修得した形で卒業し、教員免許を取得してくるということもございますので、採用前研修や、採用されてからの研修において、教職専門について触れていきながら充実をさせていくことで対応してまいります。2点目としましては、外部試験による選考枠の新設についてです。第1次試験を専門教科・科目の代わりに、民間企業の就職試験で活用されているSPI3で受験可能な選考枠を新設いたしました。目的としましては、民間企業から転職を考えている方や、新卒者で民間企業と教員の2つの進路で悩んでいる方の受験を促進することでございます。3点目としましては、大学3年生を対象とした前倒し選考について、実施時期を早期化するとともに、対象校種を全校種に拡充いたしました。大学4年生や既卒者向けの第1次試験と同日に同じ内容の試験を大学3年生が受験することができます。通過者は、翌年度の第1次試験を免除します。今回の5月11日(日)の試験から大学3年生が受験をすることができる仕組みになってございます。
県教育委員会では引き続き、教員選考試験の適切な見直しに加えまして、教員の働き方改革、教職の魅力向上・発信に取り組み、教員志願者の増加を図り、質の高い教員を確保してまいりたいと考えております。
教職員の働き方改革について
資料「教職員の働き方改革について」に基づき説明
2024年度の県内公立学校の時間外在校等時間の状況はグラフにもありますように、全ての校種で前年度から引き続き減少傾向となっております。小学校は30時間34分で、前年から51分の減、中学校は38時間05分で、前年から2時間28分の減、高校は22時間15分で、前年から1時間45分の減、特別支援学校は12時間18分で、前年から1時間の減となってございます。時間外在校等時間が減少している要因としましては、デジタル化も含め、業務の見直し・効率化や部活動の改革、運営方針の遵守や中学校の部活動における休日の地域移行などが考えられます。各学校において、校長先生のリーダーシップのもとで、教員一人ひとりが働き方改革に前向きに取り組んでいただいている成果と考えております。
学校現場からの声としましては、水曜日などの定時退勤日は、「早く帰れる日は早く帰ろう。」と声を掛け合うなど、職員室の雰囲気が変わってきている、5時間授業の日を増やしたことで、放課後に校務の時間が確保できるようになり、帰宅時間が早くなった、部活動改革により、しっかり休息・リフレッシュができるようになり、心に余裕が持てるようになったといった声も聞いております。一方で、依然として、時間外在校等時間が多い教員もいますので、その状況・原因をよく分析して、働き方改革をさらに推進してまいりたいと考えております。今年度の働き方改革の具体的な取組は2ページ目になります。
引き続き、市町村教育委員会や学校とともに、教職員の働き方改革に県教育委員会としましても、しっかりと取り組んでまいります。
つくばサイエンス高等学校の魅力づくり(サイエンスリーダーズ育成事業)について
資料「つくばサイエンス高等学校の魅力づくり(サイエンスリーダーズ育成事業)について」に基づき説明
つくばサイエンス高等学校は、令和5年度に開校し、令和7年度から普通科を設置し、今年度から初めて普通科に生徒が入学した年ということになります。つくばサイエンス高校は県内唯一の科学技術科を有する高校でありまして、県内の科学教育の拠点校として、県としても魅力づくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
今年度の新規事業として、今年度から県内初となる理科の指導教諭2名の配置による教科指導体制の充実を図ってまいります。早速、学校ホームページをリニューアルするなど、学校の魅力づくりにも取り組んでいるところでございます。また、新規事業として、サイエンスリーダーズ育成事業を開始し、本県を牽引する科学系人財の育成を図ってまいります。なお、この事業についてはこの後、詳しく説明したいと思います。そのほか、ALTを4名配置し、国際理解教育や英語指導の充実を図るとともに、医学部進学支援校に指定し、医療・看護系も含めた進学指導の充実に努めてまいる所存でございます。
継続事業についてですが、昨年度から国のDXハイスクールや県のチャレンジプロジェクト重点校に指定されております。また、プログラミングエキスパート育成事業の専門高校AI教育支援校として、ハイレベルなAI教育にも取り組んでいるところです。昨年6月に発表させていただいた、2008年にノーベル物理学賞を受賞されました、高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠氏に名誉校長に就任していただきまして、昨年11月に講演会を開いたところです。今年度もご講演を計画しているところでございます。また、サイエンスアドバイザーについては、4領域に関係する大学教授8名に就任していただきまして、今年度から1年生に向けた講演をいただくほか、課題研究に取り組む2年生、3年生に対しても助言等をいただくようなことも考えております。また、各先生の大学訪問、研究室訪問も、この後、計画の検討を考えているところでございます。
続いて、サイエンスリーダーズ育成事業の説明になります。本事業は県内の科学教育の拠点であるつくばサイエンス高等学校を会場として進めていく事業でございます。本格的な取組、具体的な内容はこの後、その時期、その時期でより本格化してまいります。充実した研究環境を活用した実験教室や、研究活動を実施し、児童生徒の科学的に探究する力を育んでまいります。併せて、これらの取組に、小中学校の先生、教員が関わることにより、理科教員の指導力向上も図ってまいりたいと考えております。具体的な事業としましては、2つの取組を実施いたします。1つ目としましては、ファインディングサイエンス(実験教室)になります。県内の小中学生を対象として、研究活動への動機づけ、そして自ら研究を進めてみたいテーマの発見を目的に、実験教室やワークショップを実施し、児童生徒の興味関心を高めて、さらにステップアップした高度な研究活動への動機づけを図る事業になります。2つ目としましては、未来クリエイターズラボ(研究活動)になります。自ら設定したテーマについて実際に研究を進めていく事業になりまして、先ほど説明したファインディングサイエンスで研究活動に興味を持った小中学生や、既に自分の研究を進めている小中学生の参加を想定しています。研究活動には研究者、大学教員、大学院生などがメンターとして、児童生徒をサポートしてまいります。研究活動のまとめとしまして、参加者全員が研究成果について口頭発表を行う研究発表会を実施し、大学の先生などによる審査により、上位者には表彰を行う予定でございます。
以上の取組をとおしまして、つくばサイエンス高校の魅力づくりと、科学系人財の育成に努めてまいります。
本日の発表項目に関する説明は以上になります。
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