令和8年8月 教育長定例記者会見
教育委員会では、令和8年8月26日(水)、教育長定例記者会見を実施しました。内容は以下のとおりです。
会見要旨
8月の定例記者会見の発表項目は2点です。
小学校から高校までを貫く日本語支援事業の進捗状況について
(資料「小学校から高校までを貫く日本語支援事業の進捗状況について」に基づき説明)
1点目として、小学校から高校までを貫く日本語支援事業の進捗状況について説明いたします。昨年度からスタートしている、日本語支援員の配置を拡充いたしましたので、ここまでの状況をご報告いたします。
小学校においては「生活言語の習得」として、特にひらがな・カタカナ・身の回りの会話をある程度、理解できるように支援しています。
中学校においては「生活言語と学習言語の習得」として、小学校の積み重ねの上に、日常的な場面の日本語をある程度理解できることに加え、高校の受験に必要な日本語を理解できるように対応しています。
高等学校においては、「自立に向けた日本語の習得」として、高校の授業をある程度理解できる状態にすることと、就職や大学進学に必要な日本語を理解できるように、支援体制を拡充しています。
なお、本県の日本語指導が必要な外国人児童生徒数は、今年度、小中学校で2,382人、高等学校が391人となっております。
対面による日本語支援の状況として、小中学校では20市町の98校に、日本語支援員80人を配置しております。日本語支援員から日本語の支援を受けている外国人児童生徒数は1,485人です。
その他の児童生徒は、各学校の教員やオンライン、市町村独自のボランティアなどが支援を行っております。
ここで「取り出し指導」と「入り込み指導」について説明いたします。「取り出し指導」は、外国人児童生徒だけを別の教室に取り出して指導を行います。それぞれの子どもによって日本語の到達度が異なりますので、その実態に応じた指導をしています。「入り込み指導」は、日本人児童生徒と一緒に学ぶ教室に支援員が入る指導です。メリットとしては、同じ学級の生徒と、同じ形で学ぶことができます。
教員と日本語支援員からの声として、「『取り出し指導』と『入り込み指導』をバランスよく組み合わせ、個に応じた支援を行うことで、日常会話やひらがな、カタカナ、漢字の読み書きの力が向上している。」、「給食・掃除・外遊び等に日本語支援員が寄り添い関わることで、人間関係の構築や欠席日数の減少につながっている」といった報告がされています。
次に高等学校についてです。重点校と支援校、計10校を中心に支援をしており、支援を受けている外国人生徒数は308人です。10校以外の生徒は、各校の教員の個別指導や支援員の派遣、翻訳アプリの活用などで対応している状況です。
声として、「大学との連携により日本語力の把握や指導方法の助言といった伴走支援体制を確保できている。」、「日本語支援員の配置により、個に応じた支援が実現し、日本語力の向上が見られる。」といった報告がされています。
次に、オンラインによる日本語支援の状況です。小中学校では筑波大学と連携して支援を行っており、現在支援を受けている児童生徒は42人です。
日本語指導を担当する教員や、日本語支援員がいない学校を対象に、「1週間に2コマ×25週」を1クールとし、年間2クールで実施しています。習熟度別にクラス編成を行い、丁寧にゆっくりと指導することで、児童生徒に寄り添った学習を行っています。
高等学校では、一般財団法人と連携し、生徒28人へ、放課後等の時間を有効活用し日本語の定着を図っています。
最後に、多言語翻訳アプリケーションの活用です。小中学校で414校、高等学校で21校が導入しており、小学5年から高校3年までを対象としています。母語が異なる児童生徒が同一教室で授業を受けている場面であっても、教師の指示や指導内容をアプリケーションが、リアルタイムで多言語翻訳することで、円滑な支援を実現できております。
様々な形で支援を実施し、都度アンケート等により課題を確認の上対応しているところですが、年度途中の児童生徒の編入については、当初在籍していなかった学校へ入る可能性があります。そのため、当初支援体制を整備していなかった学校においては、日本語支援員の複数校兼務により対応しています。
具体的には、既に配置している学校の支援員が兼務しながら巡回する形での対応や、校内の指導体制を柔軟に変更することで対応している状況です。
また、社会や理科の学習用語は、アプリケーションなども活用しているところですが、今後も随時学校の状況、教員たちの声や日本語支援員の状況から、課題を洗い出しながら対応してまいります。
IT未来高校・つくばサイエンス高校の魅力発信について
(資料「IT未来高校・つくばサイエンス高校の魅力発信について」に基づき説明)
次は、IT未来高校・つくばサイエンス高校の魅力発信についてです。この2つの学校では、令和8年3月に初めて卒業生を同時に送り出しましたので、その取組と進学・進路状況について説明させていただきます。
まず、IT未来高校です。令和5年度に開校した、県内唯一のIT学科の高校です。昼間2部制の定時制・単位制で、通常通り朝から登校して学習を行っています。県内の広範囲から通学が可能です。
募集定員は80名で、2つのコース制を設けており、3年または4年での卒業を目指す選択ができます。
校内施設の特徴として、ハイスペックなパソコン環境を充実させており、5種のパソコン室を整備し、IT人財の育成を行っております。データサイエンス・マルチメディア・プログラミング・ネットワークを別々の部屋で対応しています。
次に「ITセミナー」について紹介します。「笠間の菊まつり」に向けて、自動灌水装置を製作します。ここでプログラミングの基礎を学習し、実践的な活動が行えるようにしています。また、外部講師による講義として、株式会社サイバーエージェント、株式会社ユードム、日本マイクロソフト株式会社など、IT企業の方から直接指導をいただいています。
続いて「AI教育」についてです。AI時代に必要な高度なデジタル人材を目指すため、1年生でAI基礎として「AIとは何か、どんなことができるのか、どのように活用するのか」を学びます。2年生・3年生でAIハイレベルとして、「AIをつくる」「AIの精度を高める」といった技術的な内容を学ぶ教育課程を編成しています。「課題研究」ではAIを活用したデジタルものづくりも行っており、令和7年度の成果として、関西弁で回答するチャットボットなどを制作しました。また、生徒の中には様々な全国大会で活躍し、受賞実績も出てきています。
続いて、第1期生の取組と進路先を紹介します。外部の専門家も加わり、具体的な課題を設定し、開発に取り組んでいます。取組事例としては、光回線を複数利用することでの高速に通信を行うルータの開発や、部活動で音声認識を用いた発音評価学習系ゲームの開発、IT企業へのインターンシップ時に経験したデータ分析に興味を持ち、その後インターンシップ先にAIエンジニアとして就職した例などがあります。そして、工学系や情報系学部の大学への進学と、就職としては国家公務員、エム・データ、常陽コンピューターサービスへの就職など、プログラミング・AIの技術を駆使して専門的な領域に進んだ卒業生が出てきました。
次につくばサイエンス高校です。こちらも科学技術科において卒業生を輩出しました。県内唯一の「科学技術科」では、4つの領域、ロボット・情報・建築・化学生物から学びます。大学レベルの設備と、大学教授や研究者などによるサポートで授業を行っています。
普通科は令和7年に開設され、STEAM教育や理数探究など、理数系に特化しています。
次に主な取組として、課題研究に重きを置いて、1年・2年・3年でテーマを決めて、その課題に取り組む体制を整えています。
課題研究の事例としては、「食品中に含まれる有効成分の調査」や「お茶パックから出る成分の研究」、「AIを用いて遠隔で摘果・収穫時期を見守るスマート農業の開発」などに取り組んでいます。
また、東京大学の体験型プログラムに参加したり、筑波大学の研究室で実験を行ったり、周辺の環境を活用して研究内容の深掘りをしています。その結果、工学、生物資源など、多様な学部・学科への進学実績を上げています。
最後に、地域の子どもたちにつくばサイエンス高校から科学技術系人材育成として「おもしろサイエンス実験教室」、「ネクストサイエンスリーダーズ2026」など、興味関心を引く実験などの提供を行っております。
これからの科学人材の育成を、在校生だけでなく、地域の子どもたちにもフィードバックしている学校です。
本日の発表項目に関する説明は以上になります。
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