1年生の子どもにとってわかりやすい体育授業
1年生の子どもにとってわかりやすい体育授業
常総市立菅生小学校 飯村 真実
指導にあたって
- キャッチボールの経験があまりなく、ボールの投げ方が分からない児童が多い。
- 少人数のチームでボール運動をするという経験が初めてである児童が多い。作戦の案が思い浮かばずに意見が言えない児童もいる。
- 役割がないと遊び始めてしまう児童がいる。
- ゲームや練習のルールの理解が難しい児童がいる。
単元・教材
単元:ゲーム ボールゲーム シュートボール
目標
- ゲームの楽しさに触れ、その行い方を知るとともに、簡単なボール操作と攻めや守りの動きによって、易しいゲームをすることができる。
- 簡単な規則を工夫したり、攻め方を選んだりするとともに、考えたことを友達に伝えることができるようにする。
- 運動遊びに進んで取り組み、規則を守り誰とでも仲良く運動したり、勝敗を受け入れたり、場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
教材内容
簡単なルールのため、誰もが楽しく取り組むことができる。
ルール
- 4対4
- 内円の的にボールを当てたら1点
- 内円は、ディフェンスも入れない
- 外円は、オフェンスが入れない
- 何歩でも歩いてよい
- 相手の体にさわってはいけない
工夫のポイント
モノ
体育で使う道具を、様々な特性のある子どもにとって使いやすいものや手に取りやすいものを用意してみる。
ひと
友だちとうまく教え合いや支え合いができるように、友だちの特性についてクラスで学びあったり、支援員や学習ボランティア、協力教員を配置し、指導者間の連携がとれたりするようにする。
場所
体育で使う場所を、様々な特性のある子どもにとって使いやすいように、または分かりやすいように変更したりする。
ルール
授業のなかで、達成しなければならない課題や、守らなければならない指示を、子どもの特性に応じて、わかりやすく、必要に応じて課題内容を変更したり、追加で情報を加えたりする。
できる機会をつくる(モノの工夫)
やわらかいボール
- 直径15cm程度
- 柔らかくてあたっても痛くない
- 小さな手でもつかみやすい
- 100円ショップで販売されており、入手しやすい
場所を分かりやすく(モノの工夫)
作戦板に写真の活用
動かすコマに子どもの顔写真を貼ることで、誰がどこに動くのかがよく分かる。
グループをわかりやすく(モノの工夫)
チームで動く
- 整列
- 準備運動
- ウォーミングアップ
試合以外もチームで動くことにより、チームの結束力も向上する。
オフゲームへの参加(ルールの工夫)
どのチームにも役割がある
試合のないチームは得点係を担当する。どのチームも役割があることで、意欲的に授業に参加することができる。
場所を分かりやすく(モノの工夫)
コートの色分け
どこに攻めるのか、どこを守るのかが分かりやすくなる。
的にイラストをつける
- 攻める方、守る方がイラストや色で判断できる。
- 楽しくゲームをすることができる。
ルーティン活動をわかりやすく(モノの工夫)
練習の切り替えに音楽を活用
曲に合わせて活動が切り替わる。
曲の切り替え
- 準備運動
- キャッチボール(2人組)
- キャッチボール(4人組)
できる機会をつくる(ルールの工夫)
練習の難易度を上げていく①(的当てゲーム)
二重円の外から的にボールを当てる。
1分間でみんなで何回当てられるかを競うため、何度でも挑戦することができる。
練習の難易度を上げていく②(4対2のゲーム)
攻めが4人。守りが2人。攻める方は守りをかわしながら的にボールを当てる。3分間で何回当てられるかを競う。
空いている場所に動いたり、フリーの味方にパスをしたりする動きを身に付けることができる。
練習の難易度を上げていく③(4対3のゲーム)
攻めが4人。守りが3人。守りが1人増えたことによって、攻める方は4対2よりも考えてパスをしたり、空いている所に動いたりしなければならない。
成果
キャッチボールの様子
初期
ボールのコントロールやキャッチができていない。
後期
相手の胸に向けてボールを投げている。ボールをしっかりつかむことができている。
試合の様子
初期
1人で攻めようとしていて、友達にパスをしない。ボールを持っていない子は、空いている場所に移動する意識がない。
後期
ボールを持っていない子は、空いている場所に移動することができるようになった。ボールを持っている子も近くにいるフリーの味方にパスしようとしている。
話合いの様子
自分がディフェンスを引きつけて、フリーの味方をつくり、素早くパスをする作戦を立てている。
試合の様子
自分が攻めた後、フリーの味方にパスをしようとする動きが身に付いてきている。
話合いの様子
自分が投げるふりをして、ディフェンスを引きつけて、おとりになる作戦。フリーの味方にパスをしてすき間からシュートを打つ作戦を立てている。
ディフェンスをできるだけ多く引き寄せ、フリーの味方を2人つくる作戦を立てている。
試合の様子
ディフェンスを引き寄せ、フリーの味方にシュートチャンスをつくる作戦が成功している。
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