令和元年12月 教育長定例記者会見

教育委員会では、令和元年12月26日(木)、教育長定例記者会見を実施しました。
内容は下記のとおりです。

会見要旨

令和元年度全国体力運動能力、運動習慣等調査の結果について

まず1ページでございます。調査対象は小学校5年生、中学校2年生の全児童生徒です。2に結果概要がありますが、3の表を説明いたします。全国平均値との比較とありますが、小学校5年生の男子が全国で第5位。女子が全国第2位、中学校2年生男子は全国で1位、女子が全国3位というのが、本県の結果でございました。
ただ、そうは申しましても一つ一つ、種目ごとに見ていきますとそれぞれ課題はあります。
例えば、小学校5年生の下から二つ目に「ソフトボール投げ」という欄があります。男子の方が全国39位で、全国平均よりも55センチ少ない。女子の方は11位となっていますが、男子は毎年、なぜか小学校5年生のソフトボールだけが低位にあります。ところが中学校2年生男子の欄を見ますと、「ハンドボール投げ」があります。これについては、全国13位と平均を超えている。そこのところが、私たちもうまく説明できないのですが、バランスの取れた子供たちを育むことが教育の目的ですので、全体的にバランスのとれた運動能力の育成に、これからも取り組んで参ります。
4番目に昨年との比較を載せましたけれども、網掛けのところが、順位あるいは記録が昨年度よりも伸びたところです。例えば小学校5年生で言いますと、順位が6位で網掛けとなっています。50メートル走です。昨年が8位でしたので、順位が上がっているということです。そんなふうに表の方をご覧くださいますと、中学校2年生男子の順位が多くの種目で伸びていますので、教育の効果が出ているんじゃないかと考えております。

そこで、2ページの方ですけれども6に課題というところがあります。小学校ソフトボール投げについて、(2)にありますように、これまでもソフトボール投げの投げる力を育むために、様々な取組をして参りました。しかし残念ながら、下のグラフにありますように、全国のソフトボール投げの記録もどんどん下がっております。茨城県の場合もそれに比例するように下がっている、そこが課題ですので、今後も重点的な指導をして、子供たちの体力向上に努めて参ります。以上が1番目の項目です。

茨城県指定文化財の指定について

3ページをお願いいたします。茨城県指定文化財の新たな指定についての諮問に対しまして、茨城県文化財保護審議会から、令和元年11月25日開催の審議会において答申がございました。これを受けて、茨城県教育委員会では、2件の有形文化財を、12月26日付で指定いたしますので、ご報告申し上げます。今回の指定によりまして、茨城県指定文化財の総数は695件となります。それぞれの文化財について説明をさせていただきます。
まず、(1)有形文化財(建造物)「旧小松家住宅」(小美玉市)でございます。旧小松家住宅は、旧玉里村上玉里にあった小松家の主屋が平成7年に村に寄贈され、その翌年に、玉里資料館民家園に移築されたものでございまして、建築当初の形式に復原されたものでございます。説明にありますように、建築の年代は明確ではないですけれども、構造の特徴から同家が庄屋を務めた18世紀後期とみられております。建物でございますが、茨城県内に広く分布した「曲屋」、下に写真等、間取り図がありますけれども、「二つ曲がり」という珍しい形式でございます。間取りについては、広間の前面に広い土間をもつ、座敷は素朴な造りであって、中央部には帳場と産部屋が確認され、広間部分に整形四間取り、田の字型の間取りが見られるなど特徴的な形式となっています。本県における民家の間取りと構造の発展を考える上で、重要な遺構でございまして、建造物の県指定はこれで79件でございます。
(2)は、有形文化財「坪井上遺跡出土硬玉製大珠」というものです。坪井上遺跡は、市街地の南東部に位置します。久慈川に玉川が合流する地点に近い地帯で、久慈川西岸の台地でございます。同遺跡は縄文時代中期を中心とした、奈良・平安時代までの複合遺跡でございまして、この遺跡からは昭和50年代に、耕作中の畑から硬玉製の大珠5点が出土し、平成8年の発掘調査で3点の大珠が出土いたしました。一つの遺跡から発見の大珠、資料に比較のため3センチのスケールが出ておりますが、それを見ますと結構大きなものであることがおわかりいただけるかと思います。5ミリ以上あるような大きな穴も空いております。一つの遺跡から8点もの大珠が出土するのは稀なことでございます。これまで、この遺跡からは、大珠の未完成品とか、穴を開けるために加工しますが、加工した屑等は見つかっていませんので、多分、穴を開けた状態の完成品で、この遺跡に運び込まれたものと考えられております。
また、新潟県に見られる、馬高式の特徴を持つ土器、火焔型土器などが出土しておりますので、この遺跡が、北陸方面と直接的な結びつきがあったと考えられる、そういう学術的な意味で大変重要な資料でございます。考古資料の県指定は28件目でございます。
下に3として、国と県それぞれの指定文化財の数を表に載せさせていただきました。今回は、下線を引いたところが新しく1点追加になったところでございます。

IBARAKIドリーム・パス事業について

続いて5ページをお開き願います。「IBARAKIドリーム・パス事業」というものでございます。まず趣旨、目的でございますが、そこにありますように、社会の変化のスピードが激しく将来の予測が困難なこれからの時代において、子供たちがたくましく生き抜くためには、高い創造意欲をもって新しいことに挑戦し、社会をより良く変革していく力、いわゆるアントレプレナーシップが求められております。そのため、高校生などを中心に、自ら課題を発見して、その解決に向けた企画立案、実践活動を通してアントレプレナーシップを育成しようとする事業でございます。はじめに3、これまでの活動状況及び実績について説明します。
まず(1)でございますが、高校生の意識改革を効果的に行うためのファシリテーション能力を育成することを目的に、指導者養成講座を実施いたしまして、27名の大学生が参加し、指導者として育ってくれました。
次の(2)でございますが、学校に赴きまして、大学生などとの対話を通して、高校生たちが自分の夢とか、地域の課題を発見し、その解決策を見いだすワークショップを行ったところでございます。「気づきのワークショップ」と書いてあります。
(3)ですが、7月21日に、意欲のある高校生、中等教育学校生が集合しまして、戦略チーム編成、そしてプログラムの企画立案に挑戦をいたしまして、指導者となる大学生が各チームにサポート役として入った。そして、25企画がそこで提出をされたわけでございます。
(4)でございますが、25企画を審査して、15企画に絞りました。その15企画に、活動資金を提供しまして、実践活動に臨んでもらったわけです。中間報告会では、実践活動の進捗状況を発表し、そしてまた、大学生或いは指導者から助言を受けて、企画をブラッシュアップさせているという状況でございます。それを受けて1月19日に最終的な発表会を行う。そういう流れになっております。高校生たちは、実践活動において当然、失敗もあります。失敗をして、周りの方から様々なアドバイスを受ける、そういった活動を踏まえて、2にありますようにプレゼンテーション大会を行います。
「IBARAKI ドリーム★パスAWARD」の会場は、駿優教育会館、水戸駅の北口です。8階の音楽ホールで行われます。実践活動に取り組んだ15チーム、54名が参加をいたします。

そしてその54チームのメンバーと、取り組んでいる内容につきましては次の6ページをお開きください。一番左に学校名があり企画名、そしてその概要についても載せております。この15チームがまず発表を行う。公立だけではなく私立校もこれ参加しておりますし、それから、複数の学校、例えば6番は、水戸桜ノ牧、水上、常磐大高、常総学院と公立私立一緒になっているし、7番もそうですね。こんなふうに、公立私立の枠を超えて、生徒たちが一生懸命取り組んでいるものでございます。

また5ページに戻りますが、2のプレゼンテーション大会は、9時半から予選を行いまして、午後12時30分から、最大7チームで決勝を予定しております。そして、資金の提供とか、実践事業に関わって協働していただける企業の方なんかを招聘いたしまして、15時20分から、最終審査を発表するという流れになっております。
これは、全国でも多分初めての取組だと思いますので、ぜひ取材していただいて、高校生たちにインタビューしていただいて、その苦労とか意気込みを聞いてくださると本当にありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

第7回いばらきっ子郷土検定事業(市町村大会結果と県大会について)

それでは8ページ、毎年やっております茨城の郷土検定が今回で7回目です。これは平成25年度に開始したものでございます。全中学校2年生を対象として行っております。
1に市町村大会の実施結果についてとありますが、11月のいばらき教育月間に各学校で、市町村大会を実施していただきました。その各参加状況でございますが、市町村別学校は100%、国立も100%。県立学校が37%とちょっと数字は下がるんですが、それについては下の※印がありますように、県立学校等には、特別支援学校の中等部も含まれていますので、全校参加とはならなかった事情もございます。私立学校が46.7%。全県全体ですと、83.5%の参加率となります。(3)、(4)にその正答率等の数字が出ておりますけれども、2にありますように、この郷土検定に参加した子供たちの意識調査を、去年と比較をしてみますと、やはり自分たちの市町村のことをよく知る機会になったということで、高い評価をしていますし、茨城県のことも知ることができた。そのような子供たちの感想もございます。

9ページは、県大会の概要です。2月1日土曜日、場所がザ・ヒロサワ・シティ会館大ホールです。3に日程がございます。開会式後1回戦、準決勝そして決勝と続きます。最終的に3時20分から表彰式を行います。
出場者45校は市町村から44校代表と、国立県立私立の代表、合わせて45校になります。1回戦が、5チーム9組、10ページに組み合わせ表を出しております。AブロックからIブロックまでブロックを分けまして、まず1回戦を行います。その中身については、記述式二問と早押し三問ということで、勝ち抜けになります。準決勝は、5チーム3組による戦いで、決勝が3チームによる戦いとなります。(7)には過去の成績がございます。10ページのところに記載がありますが、選手宣誓する学校がもうすでに決まっています。
なお、この大会には今回、マシコタツロウさんがオープニングに登場しまして、生徒たちへ熱いメッセージを送ることになっております。また、スペシャルゲストとして茨城県生まれの方で、「東大王」の伊沢拓司さん、須貝駿貴さんのクイズノックコンビを迎えまして大会を盛り上げることを期待しております。また、茨城国体で、なぎなたの少年女子演技で優勝しました高校生も出演を予定しております。そういった取組についてもぜひ、取材していただけるとありがたいと思います。

令和2年度採用茨城県公立学校教員選考結果(2期募集、高等学校特別選考)

12ページになります。採用試験の関係です。夏に従来行っていた試験のほかに、今年度から新しく2期募集を開始いたしました。これは全国でも珍しい、たぶん初めてだと思います。2期募集のねらいについて書いてありますが、大きく変化した社会や様々な社会の課題に対応し、社会を動かせる人財を育成するため、英語教育やプログラミング教育などにおいて、高度かつ専門的な知識・技術・技能を有する方を教員として採用したいということが目的でございます。志願状況等については、2にあります。まず現職教諭の選考については、下にありますように、全校種で募集しまして、現在本県以外の都道府県または指定都市において、正規任用の教諭として3年以上勤務している方を募集いたしました。これに対しましては、小・中、そして特別支援学校で、それぞれ6人、2人、2人の合計10人の志願がございまして、最終的に7名の方を合格といたしました。
それから2番目は「ネイティブ英語教諭の選考」です。これは、英語が母国語又は公用語であるとともに、教員の職務を行う上で必要とされる日本語の能力を有し、国公私立学校(中・高)における英語教育に関連する業務経験が2年以上ある方を募集いたしまして、小学校、中学校、高校で合わせて9名の方が志願をしてくださいましたが、選考の結果7名の方に合格を出したところでございます。
それから3番目は「英語の資格による小・中・高等学校教諭の選考」。これは、英検1級相当の資格を有して、正規職員として民間企業・官公庁等において、英語を使った業務に継続して3年以上関わった方という条件をつけて募集し、2人志願がございまして2人を採用いたしました。
ところが、英語で、理科とか社会などの他教科の授業が可能な、高等学校の教諭の募集は残念ながら志願がありませんでした。それからもう一つ、高度の情報処理資格のある方を募集したのですが、これも残念ながら志願がなかったので、来年度、さらに周知の仕方を工夫したりして、志願があるように努力していきたいと思っています。
それから最後に、特別支援学校教諭(自立活動)については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の資格を持っている方を募集いたしました。3名が志願してくださいまして、試験の結果、言語聴覚士の資格を持った1名の方を採用したところでございます。
それから、併せまして3にありますように、高等学校の特別選考の志願状況と合格状況でございます。これは、高等学校の水産と看護を募集しました。実際に水産関係の職業に就いている方や、学校関係で働いてる方など、教員免許を持っていない方も募集をしまして、3名の応募があり、3名を合格させております。
4のところは、今後の予定でございますが、教員免許を持っていない合格者に対しましては、教育職員検定を経まして、茨城県教育委員会が特別免許状を授与する予定です。この特別免許状というものは、普通免許状は全国どこに行っても有効ですが、茨城県だけで有効な免許取得10年有効の免許でございます。

以上が、私からの発表でございます。

 

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