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お知らせ

令和5年度茨城県いじめ問題対策連絡協議会

令和5年8月8日 お知らせ
日時 令和5年7月3日(月)13:30~15:30
場所 茨城県教育研修センター
出席者 学校関係、警察、法務、福祉等の29の関係機関及び団体等より31名

本協議会の概要

本協議会は「茨城県いじめ防止基本方針」に基づき、いじめの防止等に関係する機関及び団体が情報共有及び連携を図ることを目的として設置されました。平成26年7月に第1回が開催されて以来、今回で10回目の開催となりました。

柳橋会長挨拶

いじめ問題は、平成25年9月施行のいじめ防止対策推進法に基づく対応が求められる。しかしながら、対応の遅れや誤りにより事態が深刻化する事例が頻発している。いじめの深刻化は、解消を難しくしたり児童生徒の命に直結したりするおそれがある。児童生徒育成に関わる全ての大人が、いじめの深刻化を防ぐ取組に注力する必要がある。
令和2年には「茨城県いじめの根絶を目指す条例」が施行し、「社会総がかり」でいじめに向き合う姿勢が再確認されている。当協議会は法の第14条等に基づき、関係機関の連携を図るため、平成26年から「社会総がかりのいじめ対応」をテーマに協議してきた。本日は「いじめの深刻化を防ぐ社会総がかりの取組」をテーマに、全ての児童生徒が安心して学校で学ぶことができるよう、委員の皆様のお力添えをお願いしたい。

(概要)

取組発表:高校教育課・髙野課長補佐

  • いじめの認知件数、解消件数ともに前年比増で、アンケート調査による発見が最多
  • 生徒が卒業した後、当時の対応についての相談が寄せられる事案が増加
  • いじめ対応の原則は被害生徒に100%寄り添い、保護者や関係者からも傾聴すること
  • 昨年度10月、いじめ対応報告書を新たに作成し、法令に基づくいじめ対応を推進
  • いじめ対応報告書をもとに、深刻化が懸念される事案については、適宜指導している
  • 学校だけでは対応できない事案も多く、警察や児相等、関係機関との連携も重要
  • スクールカウンセラーやスクールロイヤー等専門家も活用して対応を推進している
  • 認知件数は非常に多いが、法令に基づく対応を推進している結果と考える

(質疑応答抜粋を含む)

取組発表:茨城県弁護士会・二井矢弁護士

  • 「いじめ」の定義は変遷しており、現在の定義は平成25年から採用されている
  • 現在の定義に従って事例を考えると、多くの事例がいじめに該当する
  • その場で対応した先生の対応が重要である
  • いじめ防止対策推進法は、「早期発見・早期対応」を求める法令
  • いじめの疑いを発見した際の対応等は、法の第8条、23条、25条、26条記載
  • いじめ重大事態については、法の第28条、30条記載
  • 重大事態化したあとの調査は困難であり、それ以前の早期発見・早期解決が重要
  • いじめ激化防止のためには、学校、家庭、地域の環境改善が重要
  • 被害・加害の属性に原因を求めず、大人が環境、雰囲気を作るという自覚をもつべき
  • 子どもたちの人権感覚の醸成の側面からいじめを捉え、本質的な理解を促すべき
  • 「社会総がかり」については、法の第3条3項、8条に記載
  • 保護者が、児童生徒との面談を認めない場合、重大事態の調査目的(原因追究と再発防止)を伝達した上で、「子ども自身の気持ちを聴くことが必須」と共有すべき
  • 卒業後にいじめ被害を訴え、裁判例に発展する例は、学校の設置者が被告となる

(質疑応答抜粋を含む)

全体協議

  • 現場で大事なのは「小さな変化を見逃さない」こと。担任に一人で抱え込ませず、みんなで見て組織対応。担任の先生たちがいじめを個人の判断で放置することを防ぐとともに、それにより早期にも解決でき、重大事態を招かないことにもつながる。
  • 学校だけではいじめの問題というのは解決できない。学校と地域とPTAが一緒になって、いじめ問題を解決していく必要がある。
  • いじめを「やりたくなってしまう心理」というところをフォローしていくことも大事。「やっちゃいけない」だけでなく心理教育というか、自分の気持ちにどう対応していくかとか、苦しい思いをしている時に、SOSをどう出せるかが大切。
  • (県内の教育現場で各地域の警察とどう連携しているのか、県教委は県警担当とどのように連携しているのかという質問を受けて)法第23条第6項により、いじめが犯罪行為として認められる場合は所轄警察署と連携し対応。本県は平成25年度に警察本部と県教育委員会において「児童生徒の健全育成に関する警察と学校との連絡制度」を設けている。各学校においては、所轄の警察署の生安担当の方と学校の生徒指導部長等が、教育委員会は県警本部人身安全少年課担当者と密に連携している。
  • いじめでもあり犯罪でもある場合は警察に連絡をして、捜査をして少年事件の手続にのせる。例えば集団で殴りつけて金を奪った等は強盗。これはいじめとしてだけでは解決できない。身柄を抑えて少年鑑別所に送って、家裁で審判を受ける。親も呼び出して家裁の取調官が調べる。そういう事案まで学校でまる抱えすべきではない。
  • 日々の連携が良ければ、緊急時の連携対応にもつながる。しかし早期発見については、先生方たちの忙しさの部分が課題。子どもたち、社会全体の大事な宝物がすくすくと育っていくような環境を整えていくのは、この会議の大切な趣旨。

(各発言より抜粋)

柳橋会長まとめ

いじめ問題への対応については丁寧かつ、そして迅速で、担当者をひとりにしない対応が大切で、さまざまな角度からいろんな方々にかかわっていただき、学校であれば管理職も含めて共通理解のうえに対応すべきである。
スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、スクールロイヤーも活用しさまざまな専門家が関わってサポートする必要があるので、保護者も含め、児童生徒の小さな変化を見逃さず、早期発見、組織による早期対応をお願いしたい。
現場での基本は、報告連絡相談である。さらに、連絡だけではなくて連携というように組織、社会全体での対応が必要である。本日の協議をもとに、関係機関団体の連携を強化して、社会総がかりでいじめの深刻化を防いで行きたい。すべての児童生徒が安心して学校生活を送ることができる対応を確認し、本日のまとめとする。

(概要)

茨城県では、いじめの防止と早期発見・早期解消に向け、関係機関及び団体はもとより、県民の皆様と力を合わせて社会総がかりで取り組んでまいります。

お問い合わせ先

茨城県教育庁 学校教育部 高校教育課

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6 [県庁舎22階]
電話:029-301-5245(管理担当)
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