令和4年度の表彰校

茨城県健康推進学校表彰は、学校保健・学校安全の推進のために、全教職員並びに保護者や地域、関係機関と連携を図りながら組織的に教育活動を展開している県内の公立小・中・義務教育学校・中等教育学校(前期課程)を表彰しています。

令和4年度 最優秀賞 北茨城市立精華小学校

感染症流行時の行動制限下においても継続的に健康の保持増進に取り組む児童の育成

活動のねらい

健康教育や保健便り、保護者との連携をとおして、児童が感染症流行時の行動制限下における健康課題に継続的に取り組む意識を高め、実践する力を育成する。

本校は市の中心部にあたる市街地に位置し、全校児童430名で共働きの家庭が多いものの、保護者は学校教育活動に協力的である。しかし、新型コロナウイルス感染症流行と行動制限の影響によるものと推測される、低視力、う歯、肥満傾向の児童が増加している。また、体力低下も顕著にみられ、「新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休校」明けには、災害共済の給付申請対象となる骨折などのけがが多く発生した。家庭で過ごす時間が増えたことにより、スクリーンタイムが増加していることも大きく影響していると予想される。
そこで、行動制限下にあっても、感染対策を行いつつ健康の保持増進に取り組むことができる児童を育成したいと考え本テーマを設定した。

北茨城市立精華小学校
北茨城市立精華小学校

 

成果
  • 新型コロナウイルス感染症の流行が顕著となった令和2年度から継続して指導に取り組んだ結果、今年度は低視力、う歯ともに減少し、体力テストA+Bの児童の割合は増加した。さらに、けがの発生状況の目安となる災害共済の給付申請災害発生率は減少した。
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北茨城市立精華小学校の取組

令和4年度 優秀賞 日立市立豊浦中学校

TOYOURA磨き合いプロジェクト〜自尊感情を高める健康教育のあり方〜

活動のねらい

関係機関との連携を図り、外部講師やSC、TT等の活用を通して、自分の心身の健康課題を知ることができる。
学年の実態に応じ、系統を踏まえた健康教育を通して、自己有用感・自己肯定感を高める。

本校の教育プランは、「生徒一人一人の思いに寄り添い、ぬくもりと愛情をもって支援する」ことを基本理念としている。それを達成するために3つのi(合い)「学び合い」「高め合い」「磨き合い」を重点目標として、教育活動全体を通して取り組んでいる。その中の一つ「磨き合い」プロジェクトでは、健やかな身体を育むための取組として学校健康教育に力を入れている。本校の生徒は、身体的な不調を訴えての欠席が多い。また、教育相談や保健室来室の背景、学校評価アンケートの結果からも、自己有用感・自己肯定感の低い生徒が多いことが課題であると考える。そこで、生徒自身が心身の健康の課題に気付き、自他のいのちの大切さを実感するとともに、自尊感情を高めることができるよう本テーマを設定した。

日立市立豊浦中学校
日立市立豊浦中学校

 

成果
  • 各授業の感想から、自分の心身の健康について課題を見つけ改善しようとする姿がみられた。
  • 「いのちの教育」においては、「自分が生まれてきたことは奇跡である」、「自分のいのちを大切にしたい」という感想が多くみられ、自尊感情の向上に繋がった。
  • 性犯罪・性暴力に関する学習では、グループでブレインストーミングを行う中で、お互いの意見を尊重しながら協力して課題に取り組む姿がみられた。
  • 1学期末の学校評価アンケートの結果、「運動、食事、休養のバランスを考えて生活している」に「そう思う」、「だいたいそう思う」と回答した生徒が74.6%であった。これまでの取組を通して、生徒が自分自身の健康課題を見付け、課題を解決しようとする態度が身に付いてきた。
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日立市立豊浦中学校の取組

令和4年度 優秀賞 境町立森戸小学校

コロナ禍における児童主体の歯科保健活動の在り方

活動のねらい

児童自らが自分の健康に関心をもち自分の体を大事にできる力を高める。

本校はむし歯の未処置率(43.2%)が高い。令和3年度の茨城県平均(22.9%)と比較してもかなり高い状況にある。むし歯治療に対する関心の低い保護者も多く、歯科検診後にむし歯の治療に行く家庭は令和3、4年度ともに該当者の約50%にとどまっている。むし歯の治療について、特に小学校の段階では、保護者へ向けた啓発活動が必要不可欠だ。しかし、コロナ禍において、感染症対策をしながらの歯科保健活動はかなりの制限がある。「コロナ禍だからできない」ではなく、コロナ禍の今だからこそ、子どもたちの将来の自分の健康や自分自身を大切にする意識を向上させていく必要があると考えこのテーマを設定した。

境町立森戸小学校
境町立森戸小学校

 

成果
  • 5・6年生の保健委員会の児童が教室をまわり、歯の模型を使って歯みがき指導を行った。歯ブラシを小刻みに動かすように気を付けたりすることができるようになるなど良い変化が見られるようになった。本校で毎月行っている、生活アップ週間では、生活アップカードを活用し「一日に3回歯みがきを行うことができたか」を各自振り返る項目がある。5月の達成率は68.4%に対して、指導後の6月の結果は77.8%となり、5月と比較すると9.4%も向上した。しかし7月以降は、60%台に戻ってしまった。この結果からも地道な啓発活動は子どもたちの意識を向上させることができると考えることができる。
  • 境町養護教諭部会において、中学校区で歯についての保健だよりを作成することとなった。小中連携をし、それぞれの学校の保健委員会の児童生徒が分担して保健だよりを作成した。作成した本校の保健委員会の児童2名は、「噛むことについて自分たちで調べることができてとても勉強になった」と話をしていた。自ら積極的に調べて作成していた。「歯が抜けたら他の国ではどうするのかがわかってよかった、楽しかった」と保健室に来て話してくれた児童もいて子どもたちにとって一つの豆知識となったようだ。
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境町立森戸小学校の取組

お問い合わせ先

茨城県教育庁 学校教育部 保健体育課 健康教育推進室 学校保健・安全担当

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6
電話:029-301-5349
FAX:029-301-5369
メールアドレス:hotai1@pref.ibaraki.lg.jp