優秀賞 東海村立村松小学校
児童の命を守る、安全な学校づくりを目指した教職員研修の在り方



これまでの課題と活動のねらい
課題の把握と設定状況
今年度の学校経営基本方針は、『今を生きる楽しさがある学校づくり』であり、重点施策の一つとして活力あふれる児童の育成を掲げている。知徳体のバランスが取れた児童の育成のため、地域と共にある学校という点も、本校の強みとなっている。文部科学省の第3次「学校安全の推進に関する計画」等を基に、児童を取り巻く環境の安全を守る「安全管理」の一環として、定期的・継続的な教職員研修を実施している。職員を対象に傷病者発生時(緊急時)の対応について「対応への自信度」を10段階評価で調査したところ、平均値が3.3であった。この結果から、より効果的な研修の内容や実施方法を検討する必要性が明らかとなり、本テーマを設定した。
活動のねらい
- 職員研修の内容や実施方法について見直しを図り、教職員の危機意識・知識・技能の向上を目指す。(外部講師の活用を含む)
- 研修から得られた改善点・反省点等を生かし、学校危機管理マニュアルをより実効性のあるものとなるよう、多くの職員で見直し改訂を行う。
計画と実践の状況
計画
時期 | 内容/企画・運営担当 |
---|---|
4月 | 研修計画の作成 教務主任、保健主事、養護教諭 |
5月 | 緊急時の対応に関する研修(意識調査含む) 給食主任、養護教諭 |
6月 | 水泳事故に関する研修 体育主任、養護教諭 |
7月 | シミュレーション研修 ※外部講師 保健主事、養護教諭 |
8月 | 危機管理マニュアルの見直し、アクションカード、緊急時対応記録用紙の見直し 管理職、保健主事、養護教諭、保健主事、養護教諭 |
8月 | 救命教育(5年生対象)研修会への参加 東海村教育研究会 |
9月 | エピペンの実技訓練 ※外部講師 保健主事、養護教諭 |
2月 | 研修成果の検証と次年度の計画案作成 保健主事、養護教諭 |
随時 | 発生事例(ヒヤリ・ハット)の情報共有・対応についての検討 対応した職員、養護教諭等 |
実践の状況
研修内容を計画する際、オリエンテーション型の研修と実際の場面を想定した実働型研修を組み合わせることを意識した。また、緊急時の対応について話し合いをする場面を設定するなど、危機発生時に管理職をリーダーとしたチームとして、適切かつ迅速な意思決定や対応を取るための訓練となるよう工夫した。
学校危機管理マニュアル(一部)の見直しについては、発生事例および研修での反省等を活かしたものとし、担当職員で検討後、全職員での共通理解を図った。
成果と今後の課題
成果
- 前述のアンケートを5月の研修後にも実施。「対応への自信度」は3.3→5.7と変容がみられた。
- 児童の傷病が発生した際は、危機管理マニュアルに基づき、重症度に応じて「現場での初期対応」「アクションカードの活用」をしている。
今後の課題
- 「訓練マネジメント」の考えを意識し、教職員研修・訓練を継続することで、全職員で児童の命を守る、安全な学校づくりを目指す。
- 学校評価アンケートでの「安全に生活することができたか」という項目において、児童自身は93.1%である一方で、保護者による回答は90.5%であった。児童への安全教育の充実も推進していく。