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県北教育事務所 学校訪問

日立市立中里小・中学校 第2回学校訪問レポート

令和3年12月14日 学校訪問

12月14日(火)、「令和3年度教員の働き方改革実践モデル校」日立市立中里小・中学校を訪問した。第1回訪問から6か月が経過し、これまでの実践研究の成果や課題、そして令和4年度に向けての取組について伺った。
教職員の超過在校等時間の削減に向け、下記に示した4つの課題解決に取り組み、4月末(小学校44:08、中学校45:13)に比べ、教職員の超過在校等平均時間は減少し成果を上げている。
11月末現在:小学校30:20(-13:48)、中学校33:38(-11:35)

小中一貫した教育課程のスリム化に関すること

教職員の超過在校等時間の削減に向け、学校教育目標の達成につながる教育活動の見直しと精選が喫緊の課題であった。そのため、その対策として、日課表の工夫、中学校教員による小学校専科授業を行っている。また、「朝や放課後の活動、給食や清掃、各種会議、学校行事等」のキャップ、カット、効率化による業務の見直しを行い取り組んできた。

成果について

  • 朝学習や朝読書、朝の会等は複数職員で分担をして進めた。 ⇒ 担任・担当の事務時間が確保できた。(1日10分/週2日)
  • 中学校教員による小学校専科授業を全学年で実施した。 ⇒ 複式学級解消に向けた小学校担任の授業外時間を確保できた。(25.8時間/週)
  • 中学校の日課表の見直しを行った。 (朝自習や昼休みの時間の短縮) ⇒ 勤務時間内に部活動の時間を確保できた。(1日10分/週5日)
  • 日課表に学年会や企画会等の会議を位置付けた。 ⇒ 放課後の会議時間を削減できた。(1日45分/週1日)
  • 各種会議目的を全教職員で共有した。 ⇒ 会議時間の削減ができた。(20分/回)

課題について

  • 小学校と中学校での5時間授業終了時刻を揃えた日課表を工夫し、最終スクールバス運行時刻の繰り上げ、教職員の退勤時刻の短縮を図る。

部活動における複数顧問制の適正化に関すること

複数顧問制を実施していたが、当番制・輪番制を実施していなかったため、主顧問の負担が大きかった。そのため、その対策として、輪番担当制や時間担当制による部活動の運営、時程表の見直しに取り組んだ。

成果について

  • 輪番担当制や時間担当制による指導に取り組んだ。 ⇒ 部活動主顧問の事務処理時間を確保できた。(1日1時間/週3日)
  • テスト前等に部活動なしの期間を設定し実施した。 ⇒ 教材研究や事務処理時間を確保できた。(1日2時間/学期6日)
  • 学期末事務処理期間の部活動指導は2学期から学年副担任・副担当、担任外が担当した。 ⇒ 部活動正顧問の事務処理時間を確保できた。(1日45分/学期3日)

課題について

  • 部活動に関連する事務的業務(月の練習計画、練習試合の手配、会計処理等)を顧問間で分担し、部活動正顧問の事務処理時間を確保する。

超過在校等時間の削減と授業の質の向上に関すること

普通教室、PC室の校内Wi-Fi環境の整備では、特別教室の一部に電波状況が不安定あるいは不通の場所があるため、授業準備に時間がかかっていた。そのため、その対策として、市教育委員会に依頼し、校舎内外で教職員PCが無線LANに接続可能となるようWi-Fiの増設に取り組んだ。

成果について

  • 特別教室や体育館などのWi-Fi環境が構築された。 ⇒ 接続時間が短縮(10分/日)でき、ICTを活用する機会が増えた。
  • 教師:学習に応じてICT機器を効果的に活用した。(A・B評価:6月57.2% ⇒ 11月71.5%)
  • 児童:ICT機器が使われて分かりやすかった。(A・B評価:6月42.8% ⇒ 11月97.1%)(学校訪問授業後の振り返りアンケート結果から(4段階評価))

課題について

  • 無線LAN接続により授業準備の時間短縮ができたので、今後、他校との交流などオンライン学習での授業内容の充実を図る。

超過在校等時間数が多い教職員に対する個別の縮減方策に関すること

4月当初、超過在校等時間の多い職員が数名いた。そのため、その対策として、定時退勤日を設定し遵守するようにし、管理職が45h超過勤務者との面談を行ってきた。また、教員評価に働き方に関する自己目標を設定し、その取り組みに対して面談等で超過在校等時間を削減するための方策を考え、より効果的な実践に向けて取り組んできた。

成果について

  • 管理職に加え日直が残業者に声をかけることにより、退勤しやすい雰囲気が醸成できた。声をかけ合い退勤する職員も増加した。
  • 毎月の職員会議で年休の積極取得を周知してきた。 ⇒ 2学期以降は年休を取得する職員が増加した。(年休取得平均:1学期5日/人 ⇒ 2学期8日/人)
  • 「きんむくん」を基に管理職が45h超過勤務者との面談を実施した。 ⇒ 毎月の勤務時間の目標を設定し勤務することができた。(45h超過勤務者:4月42.9% ⇒ 11月4.8%)

課題について

  • 45h超過勤務者に対して、引き続き実態に応じた細やかな指導助言をしていく必要がある。

令和3年度特色ある取組の成果、次年度に向けての取組一覧

小中共通
  • 計画
    全教職員の分担による朝学習や朝読指導等の対応
  • 成果
    全教職員の分担により朝の時間に対応(10分/日)
  • 次年度に向けての取組
    複数担任制の分担による朝学習等の継続

  • 計画
    教育課程のスリム化と5時間授業日の位置付け
  • 成果
    ・小学校5時間授業(2日/学期)
    ・中学校5時間授業(4日/月)
    ・5時間授業の放課後に会議や研修を設定(1時間/週)
  • 次年度に向けての取組
    小学校と中学校の5時間授業終了時刻を揃えた日課表の編成

  • 計画
    Wi-Fi環境の整備及全教職員PCのWi-Fi接続
  • 成果
    全職員のPC及びWi-Fi接続により接続時間の短縮(15分/日)
  • 次年度に向けての取組
    情報機器を使用した他校との交流など授業展開の工夫

  • 計画
    ・資料のペーパレス化
    ・会議・研修開始時間、終了時間の厳守
  • 成果
    ・10月から必要に応じた資料のペーパレス化を実施(20分/回)
    ・会議・研修開始時間、終了時間厳守の徹底(10分/回)
  • 次年度に向けての取組
    ・伝達事項や説明内容の精選
    ・ペーパレス化の拡充
    ・会議・研修開始時間、終了時間厳守徹底の継続

  • 計画
    学校行事の日程等の見直し
  • 成果
    ・地域との体育祭と文化祭の準備計画の精選(3時間/回)
    ・地域行事は教職員を分担して参加(3時間/回)
  • 次年度に向けての取組
    小中合同入学式・卒業式の内容の精選と、修学旅行・宿泊学習等の内容の精選

  • 計画
    日課表内に位置付けた各種会議の実施
  • 成果
    企画会、学年会、プロジェクトチーム会議を日課表内に設定(1日45分/月4日)
  • 次年度に向けての取組
    日課表内に位置付けた各種会議の内容の精選と時間短縮の継続

  • 計画
    会議・研修内容の精選とオンライン会議や研修の実施
  • 成果
    オンライン会議での研修内容の精選と進行の工夫(10分/回)
  • 次年度に向けての取組
    会議や研修内容の精選と進行の工夫の継続
小学校
  • 計画
    中学校教員による小学校全学年への専科授業の実施
  • 成果
    小学校教員の事務処理時間の確保(25.8時間/週)
  • 次年度に向けての取組
    全学年専科授業の継続実施と複式学級の指導法の工夫

  • 計画
    毎月の在校時間等の目標設定
  • 成果
    管理職と教職員の面談による前月在校等時間を踏まえた目標設定と勤務(45h超過勤務者:11月4.8%)
  • 次年度に向けての取組
    1年間を通した毎月の在校等時間の目標設定と管理職による勤務状況確認の継続
中学校
  • 計画
    事務処理時間の確保のための輪番制による部活動指導
  • 成果
    各部活動に3名の顧問を位置付けた輪番担当制・時間担当制による指導の実施(1日1時間/週3日)
  • 次年度に向けての取組
    輪番担当制・時間担当制による指導の継続と事務的業務の分担

  • 計画
    部活動なしの期間設定
  • 成果
    定期テスト3日前、始業式、終業式、体育祭や文化祭の前日に設定し実施(1日2時間/学期6日)
  • 次年度に向けての取組
    部活動なし日を増設する検討と実施に向けた地域や保護者への理解促進

お問い合わせ先

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