県南教育事務所 学校訪問
石岡市立東小学校 第1回学校訪問レポート
10月30日、教員の働き方改革実践モデル校の学校訪問(第1回)として、石岡市立東小学校を訪問した。モデル校の指定から1か月ほどが経過し、実践研究の本格化に向けた計画の策定状況やすでにスタートした取組、今後の課題などについて報告・意見交換が行われた。
意識改革
モデル校の指定を受け、実践研究の計画を策定することとなった。課題が多岐にわたる中で、現状の認識と超過勤務の削減に向けた意識の共有は必須。そこで東小では各教職員に対して業務に関するアンケートと、意識改革のための「キャッチフレーズ」の募集を行った。各個人からのアンケートは、学年主任等で構成される運営委員会などを経て、学校全体での計画策定に取り入れられた。そして、多くの提案の中から、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」というキャッチフレーズが採択された。
従前からの取組を活かして
東小では従前からSEL(Social Emotional Lerning、社会性・情動スキルの教育)に力を入れてきた。実はこの取組が、結果的に教員の超過勤務削減につながったという経験がある。
超過勤務の要因の一つとして、児童の怪我やけんかといったトラブルへの対応が挙げられる。SELを通して自尊感情や対人関係能力を育むことで、児童生徒が良好な友人関係を構築し、学校生活が充実したものになる。トラブルが起きた場合でも、児童生徒同士で解決できる幅が広がる。これは学校だけでなく社会全般において有用な能力だ。
これに加えて、業間・昼休みなどの看取りをきちんと行うことで、児童生徒のトラブルへの対応を減らすことができた。東小ではこれらの経験を踏まえ、モデル校共通で実施する取組に加えて、トラブルの対応件数等を客観的に把握し、SELや看取りが働き方改革に与える効果を検証する計画だ。
時間の使い方の質を見直す
前述したSELなど、超過勤務の削減に向けてすでに効果が上がっている取組は存在する。その上で、これからは「作り出した時間の使い方が課題」と大倉校長は話す。
教員の多くは、業務を減らして作り出した時間を教材研究や授業準備に充てる。もちろん、質の高い授業を児童に提供することは本来的な教員の役割だ。だが同時に、費やした時間が本当に子どもたちのために高い効果を上げているのか、と問う視点も必要となる。今後、残業時間の許可制などの取組を通じて具体的な業務内容等を把握し、より必要性の高い業務の精査を行っていく予定だという。
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