県南教育事務所 学校訪問
石岡市立石岡中学校 第2回学校訪問レポート
2月25日(木)、石岡市立石岡中学校へ2度目の訪問を行った。モデル校の指定を受けて約半年、様々な取組に挑戦し、その成果と今後の課題を聞くことができた。
納得解を生み出す
石岡中学校の取組の進め方で印象的なのは、ボトムアップ形式を徹底したことだ。教職員にアンケートを実施してアイデアを募集、それらのアイデアをもとにどのような取組を行うかプロジェクトチームで丁寧に検討し、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら効果・実効性を検証していく。
アイデアがすべて実施されたわけでない。たとえば、部活動の合同トレーニングなどは、生徒の各競技への意欲や、競技ごとのトレーニング効果を考慮して、実施しないことになった。しかし、これは単に「やらない」のではなく、出されたアイデアを丁寧に考え、効果的な部活動は何かを考えた結果だ。こうしたプロセスを経て「納得解」を生み出すことで、学校全体として働き方改革を前に進めることができたという。
一つの学校を超えた連携
学校単独での取組には限度がある。むしろ、各学校は工夫を重ねてギリギリまで時間を捻出しているのに、それでも超過勤務に陥っていることがほとんどだろう。今回のモデル校・モデル市の指定は、各学校や市が連携を深めて課題を解決する契機となった。
たとえば学校への留守番電話導入や、市全体で統一的に取り組まなければ難しい課題が、モデル校・市の指定を一つのきっかけとして前に進んだ。今後も、体育祭等行事の在り方や、通知表の在り方などについても検討していく予定だ。その際、PTAをはじめ保護者・地域の理解と納得が重要であることは言うまでもない。
手応えが不安を打ち消す
石岡中学校での取組の成果は確実に現れている。令和2年12月に45時間以上の超過勤務をした教員は、前年の令和元年12月と比べて半減した。各教員の主観面でも、意識の変化や疲労感の軽減といった効果が出ている。
一方で、働き方改革が「子供のためになっているか不安」という声もある。その原因についてはコロナの影響が大きい。コロナとともにスタートした今年度は、臨時休校、オンライン学習、学校での感染対策など、教員はこれまでと全く異なる状況で子供と接しなければならなかった。感染が拡大すれば授業の標準時数を完了できなくなるかもしれない。それに加えての働き方改革。不安は当然だろう。
「今回の取組でたどり着いた一つの結論は、授業の質を上げること。それが一番子供たちのためになるし、教員の手応えにもつながる。そして手応えがあれば、不安も少なくなる」と岩田校長は今後の課題について話す。「子供のためになっているのか」と常に問いかけつつ働き方改革を進め、教員の持つ情熱を授業の質の向上につなげていく取組を、来年度も実践していく考えだ。
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