県西教育事務所 学校訪問
桜川市立岩瀬小学校 第1回学校訪問レポート
5月26日(水)、今回は、令和2年9月から取り組み始めたモデル校の働き方改革の推進において、現況と見えてきた課題の報告、今後の方向性について意見交換を行った。
市教育委員会と学校との連携による改革の促進
働き方改革に向けては、市教育委員会と学校、保護者や地域が一体となった取組が必要不可欠として、市を挙げて改革に取り組む方針を示す文書の発出や、学校の日課表変更による児童の下校時刻の繰り上げに際する家庭の理解や協力など、連携した取組を積極的に進めている。
また、今年度から、市教育委員会は市内全小中学校へ「校務支援システム」を導入し、校務支援サーバーの運用を開始した。学校では、校務データの整理、ペーパーレス化、仕事の流れなど根本的な点でのさらなる見直しを図り、校務の改善を加速させ、既に導入されているタブレット等のICTツールの適切かつ有効な活用を進めている。
さらに学校では、校内の働き方改革推進委員会(カエル委員会)での話合いや長時間労働の主な原因である業務の分析を一覧に示して見える化を行うなどして、教員一人一人の働き方の工夫や協働の意識、消費時間の意識をさらに高めている。
一方で、加配教員や学校サポーター、地域ボランティアの配置やICT機器の利用環境の充実等、効率化を図るための人的・物的資源の確保等の問題が見えてきた。また、保護者や地域の理解・協力を得ることについては、今後も時間をかけて一つ一つ丁寧に解決する必要があると考えている。
児童の学びと教師の指導の変容
岩瀬小学校では、「学び合う」「認め合う」教育活動の展開を図る中、ICTを活用した授業改善に取り組み、児童と教員両方にとって学びやすく、教えやすい環境の構築をめざしている。特に、低学年では、タブレットを活用して言葉集めや意味調べを行っており、語句に関する知識や興味関心を高めている。中学年では、児童が撮影した写真データを基に記録を残したり、友達と比べながら新たな発見につなげたりと学びを深めている。また、高学年では、学習の発表や意見交流をタブレットを利用して行い、伝え合う力を身に付けている。今後は、タブレットの持ち帰りによる家庭学習での活用を深めていく計画である。
教員は、校務改善により生み出した研修時間を有効に活用することで、ICTの活用の幅を広げ、学びの質の向上や学力の定着にどう役立てていくか今後も研鑽を積んでいく予定である。
学校の特色ある取組(令和2年度からの成果と課題、今後の対応)
専科教員の活用(全学級での実施)
令和2年度4月〜理科専科加配、11月〜音楽専科加配を配置
- 成果
全学年週2〜5コマの空き時間ができ、勤務時間内での授業準備、事務処理等の業務遂行につながった。
1・2年生担任:週2コマ
3・4年生担任:週5コマ
5・6年生担任:週4コマ - 課題
専科教員の人員の確保が困難。 - 今後の対応(計画)
継続して実施
一斉下校日の設定(毎週水曜日)
地域の方との連携・協力・支援体制づくり
- 成果
地域の方の下校見守り回数の増加
(これまでは毎学期1回、令和3年6月から月に1回) - 課題
・下校時刻の変更については、家庭や地域、学童等の関係機関の理解と協力が不可欠。
・保護者が働いているため児童が帰宅時に子供だけとなる家庭や祖父母に預けている家庭等様々あり、一様に理解と協力を得ることは困難。 - 今後の対応(計画)
継続して実施
日課表の見直しと実施
令和2年度3学期の成績処理期間の特別日課を実施
※令和3年2月22日〜3月12日(3週間)
- 成果
昼休みを無くして日課を繰り上げることにより、全児童が通常より20分早く下校することができた。 - 課題
・下校時刻の変更については、家庭や地域、学童等の関係機関の理解と協力が不可欠。
・保護者が働いているため児童が帰宅時に子供だけとなる家庭や祖父母に預けている家庭等様々あり、一様に理解と協力を得ることは困難。 - 今後の対応(計画)
・成績処理期間の特別日課を継続して実施
・令和3年度4月から、前年度より5分早く登校し、10分早く下校する日課を実施 (令和2年度末に保護者宛文書を配付)
週案の簡略化
学習予定とお知らせだけの週案に内容を精査
- 成果
担任教員一人あたり、週1時間の作成時間短縮につながった。 - 課題
学年の様子を家庭に連絡する機会が減った。 - 今後の対応(計画)
学校ホームページを毎日更新し、学校全体や各学年の様子を家庭や地域に発信する。
外部人材の活用
スクール・サポート・スタッフ、学校サポーター等の業務内容の見直しと実施
- 成果
・学級担任の業務専念のための時間確保につながった。
・学校内外の環境整備等の充実 - 課題
業務内容の理解と協力を得ること、事前打ち合わせ時間の確保が必要。 - 今後の対応(計画)
仕事内容の見える化や日常化をすることで、外部人材の仕事の確実性を高める。
家庭学習におけるプリントやタブレットの活用
- 成果
・プリントとともにタブレット端末を家庭へ持ち帰り、ドリル学習をとおして個に応じた知識や技能の効率的な定着が図れた。
・家庭での学習の意欲喚起につながった。 - 課題
・家庭における通信環境の整備が必要。
・家庭学習の習慣付けを家庭と連携して行う必要がある。 - 今後の対応(計画)
個に応じた学習課題の提示等について、家庭での学習においてプリントやタブレットが有効活用できるよう、計画的に教職員の研修を行い、児童の学習の定着を図る。
看護日誌の精査
毎日の看護の様子について、記録内容を精査し、8行の記録スペースを3行に削減
- 成果
一日一人あたり約10分の時間短縮につながった。 - 課題
決められたスペースに要点を整理して記載する習慣の定着が必要。 - 今後の対応(計画)
簡潔に文章を書く意識を高め、継続していく。
日直業務簡略化
出勤時刻の制限(7時30分以降に出勤)
※校舎開錠時刻の設定
- 成果
教職員の朝の出勤時刻が、一日一人あたり約20分遅くすることができた。 - 課題
日直の業務の削減が困難なため、教務部や学校用務員、スクール・サポート・スタッフ等が担っている。負担が増えた職員がいる。 - 今後の対応(計画)
学校用務員やスクール・サポート・スタッフ等の外部人材を活用する体制をつくり、定着させていく。
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