茨城県教育委員会 > 部活動・スポーツ > 部活動改革 > 文化部活動地域移行レポート > 大子町 地域文化クラブ活動(吹奏楽)の事例

大子町 地域文化クラブ活動(吹奏楽)の事例

大子町 地域文化クラブ活動(吹奏楽)の事例
ポイント
  • 地域資源の最大限の活用
  • 学校の柔軟な対応と保護者の協力

見学:令和6年10月4日(土)

大子町では、教育委員会生涯学習担当が主体となり、中学校の部活動と地域クラブ活動が一体となった「地域文化クラブ」の運営に取り組んでいます。運動・文化ともに月2回、地域クラブとして、希望する生徒が登録して参加できる仕組みです。
指導を希望する教員や地域のAI乗合タクシーといった地域資源を最大限に活用するとともに、学校の柔軟な対応と保護者の協力により、充実した活動が実現しています。

兼職兼業教員の活用と学校との連携

吹奏楽では、指導に意欲的で高い指導力を持つ兼職兼業教員が指導にあたっています。これにより、生徒は専門的で質の高い指導を継続して受けられます。また、活動のすみ分けについては、学校が部活動の運営方針をふまえ、大会が土日に多い吹奏楽の特性に合わせた柔軟な対応を行うことで、充実した活動が実現しています。

AI乗合タクシーの活用

大子町は通学距離が長く、スクールバスを利用している生徒もいるのですが、地域クラブ活動がある日はスクールバスが運行しないため、保護者の送迎が不可欠です。しかし、送迎が難しい家庭も少なくありません。そこで、町が提供するAI乗合タクシー「たくまる」を活用している生徒もいます。 AIを活用したこのオンデマンド交通サービスは、利用者の予約に応じて町内の乗降場所間を運行するため、生徒は安全かつスムーズに活動場所へ移動できます。これは、地域資源を最大限に活用した好事例と言えるでしょう。

協働による円滑な運営

学校や保護者の方々の協力が円滑な運営を支えています。地域クラブと部活動が相乗効果を生むように、学校側で工夫を凝らし、保護者の方々も活動に協力してくださっています。生徒が熱心に取り組むことで実績も上がり、保護者の理解と協力も得やすくなっています。

中学生の声

私たちの活動は、地域移行の日だと特に意識しないくらい、ごく自然なものになっています。今年(令和7年)の4月に町内すべての中学校が一つになったのは、私たちにとって大きな出来事でした。これまで吹奏楽部がなかった学校から、新しく入部して活動を始めた生徒が3人もいるのは、本当に嬉しいことです。部活動のある土日にはスクールバスが出ますが、地域移行の日にはバスがありません。でも、特に不便に感じることもなく、みんなでスムーズに活動できています。

先生の声

私自身、音楽活動が好きなので、生徒の皆さんのためにも、全力を尽くして指導にあたりたいと思っています。よく、地域クラブと部活動で指導者が異なる場合、指導者側の連携が難しく、やりにくさを感じるという話をよく耳にします。しかし、兼職兼業で指導をすることで、生徒たちの普段の学校生活の様子も踏まえた指導ができるメリットが最大限も活かせると感じています。部活動と地域クラブの活動がスムーズに連携できるように、学校全体で工夫し支えてくださっていることは、本当にありがたく、心強いです。また、部活動と地域クラブ、双方の活動についてご理解とご協力をいただいている保護者の皆様にも感謝しています。