茨城県教育委員会 > 部活動・スポーツ > 部活動改革 > 文化部活動地域移行レポート > 行方市 スポーツ・文化クラブ(絵画クラブ)

行方市 スポーツ・文化クラブ(絵画クラブ)

行方市 スポーツ・文化クラブ(絵画クラブ)
ポイント
  • 地域人材の積極的な活用
  • 多会場での開催と活動時間の工夫

見学:令和6年10月4日(土)

行方市では、教育委員会生涯学習課が主体となり、中学校の部活動と一体となった「スポーツ・文化クラブ」を運営しています。複数のスポーツクラブとともに文化クラブとして「絵画クラブ」を実施しています。
希望する生徒が登録して参加できる仕組みで、運動部活動に加入している生徒も、時間を調整してこのクラブ活動に参加できています。これは、将来にわたって生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保・充実するという、国の方向性も踏まえた先駆的な取り組みです。
市の文化協会所属の講師といった地域人材を活用し、市域の広さにあわせた多会場での実施や、活動時間を午後に設定するなどの工夫により、充実した活動を実現しています。

地域人材の活用と多角的な指導

市の文化協会の協力のもと、複数の講師の先生が指導にあたっています。講師によって絵のタッチや専門とする分野が異なるため、生徒は様々な視点から指導を受けることができます。
本クラブは絵画教室ではないので、基礎的な力を育むための講師お手製のテキストを指導の指針としつつも、まずは生徒が「楽しんで描くこと」を最も大切にし、生徒が生涯にわたって絵に親しむことのできる土壌を培っています。

多会場での開催と活動時間の工夫

行方市では、会場を北浦公民館、麻生公民館、玉造公民館など複数箇所に分散し、持ち回りで実施しています。原則として全会場での活動に参加しますが、近隣の会場に限定して参加する生徒も見られるなど、生徒の移動負担に配慮しています。また、活動時間を午後に設定することで、午前中に他の部活動などに参加している生徒も無理なく活動に参加できるよう工夫しています。会場のセッティングは生涯学習課で行っています。

幅広い世代との交流

絵画クラブの講師は、大人を対象としたスケッチクラブの講師も兼任しています。これにより、生徒は大人と一緒に市の文化祭などの展覧会に出品するなど、学校の枠を超えた幅広い世代との交流機会を得ています。国が示す部活動改革の理念では、地域クラブ活動は教育的意義を有する活動であり、学校を含めた地域全体で生徒の望ましい成長を保障することが重要とされています。行方市のこの活動は、まさにその理念を実現する好事例の一つです。

中学生の声
  • 絵が好きで、この活動に参加しています。部活動にはなかったので、絵もどんどん上手くなっていくのが分かって楽しいです。
  • 午前中は部活、午後は絵画クラブに参加できるから、いろいろな活動ができてすごく嬉しいです。休日は家でだらけてしまいがちだけど、クラブがあるおかげで充実した一日を過ごせています。
先生の声

私自身、行方の素晴らしい風景をモチーフとし、様々な作品を出品していますので、生徒の皆さんにも絵の楽しさを伝えたいと思っています。まずは『楽しんで描く』ことを第一に、本格的なデッサン力などはその後の機会に委ね、生涯にわたって絵画に親しむ素地を育むことに注力しています。大人向けのスケッチクラブの指導も兼任しており、中学生の作品を大人の作品と一緒に展示できる機会を作ることができます。このクラブを通じて、生徒たちが一人のアーティストとして、学校の枠を超えて幅広い世代と関われる場を提供できることを嬉しく思っています。

お問い合わせ先

茨城県教育庁 学校教育部 義務教育課 指導担当

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6
電話:029-301-5226
FAX:029-301-5239
メールアドレス:gikyo@pref.ibaraki.lg.jp