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茨城県中世城館跡総合調査事業

中世城館跡総合調査事業

茨城県の中世においては、のちに戦国大名として一大勢力となった佐竹氏をはじめ、小田氏、真壁氏など、多くの武将たちが群雄割拠し、それぞれの地を治めていました。県内には、そうした武将たちが軍事や住まいの拠点とした痕跡が城館跡として各地に残されています。
しかし、これらの城館跡は、時間の経過により土塁は崩れ、堀は埋まり、森林におおわれてしまえば、その所在を知ることは難しくなります。また、その範囲が不明瞭であるため、調査・保護の手が届くことなく、開発行為に伴い破壊されてしまう場合もありました。
こうした現状を改めるため、県内の中世城館跡について、遺構の所在・構造・現況・範囲等を悉皆的に調査し、さらに古文書・古絵図・地名・伝承等の資史料で裏付けることによって、新たな歴史的遺産としての価値を掘り起こし、遺跡としての保存・整備・活用のための計画策定や、新たな史跡指定に向けた基礎的資料の整理を図るために、平成30年度から令和4年度の5か年で、総合調査を実施しました。

市町村教育委員会への説明会
調査委員会の開催
調査員縄張図作成研修会の開催(鹿嶋市林城跡)
現地調査の実施(筑西市関城跡)

茨城県の中世城館 -茨城県中世城館跡総合調査報告書-

本文(全国遺跡報告総覧ホームページ)

茨城城郭サミット

総合調査の成果、城館の魅力を多くの方々にお届けするため、茨城大学人文社会科学部、笠間市及び笠間市教育委員会と共同主催により、令和6年2月10日(日)に「茨城城郭サミット-県央・県西編- (茨城県中世城館跡総合調査成果報告会)」を開催しました。
なお、今後、県北、県南及び鹿行地区についても開催予定です。

パネルディスカッションの様子

茨城城郭サミット-県央・県西編- (茨城県中世城館総合調査成果報告会) 配布資料

配布資料(全国遺跡報告総覧ホームページ)

茨城城郭サミット-県北編-(茨城県中世城館跡総合調査成果報告会)の開催について

平成30年度から始まった「茨城県中世城館跡総合調査」が令和5年3月に完了し、県域には1,135か所の中世城館跡が分布することが明らかになりました。その調査成果を報告する、「茨城城郭サミット-県北編-」を常陸大宮市で開催します。山城が数多く残る県北地区の中世城館について、調査を担当した研究者が集結し、魅力を存分に語り合います。

開催日時

令和6年12月22日(日)12:30~17:00

会場

常陸大宮市文化センターロゼホール(大ホール)
茨城県常陸大宮市中富町3135-6

記念講演

「それからの佐竹氏-常陸から出羽へ-」
金子 拓(東京大学史料編纂所)

報告
  • 「県北地区の中世城館-近年の発掘事例を中心に-」
    山口 憲一(常陸太田市教育委員会)
  • 「古文書・古記録が語る常陸北部の合戦と城館」
    森木 悠介(東海村立図書館)
  • 「常陸・下野国境の城館群-佐竹氏・那須氏の攻防-」
    山川 千博(大田原市産業文化部)
  • 「用水体系と平地城館-那珂市菅谷地区を事例として-」
    藍原 怜(那珂市総務部)
  • 「まだまだあった!多賀郡の城館」
    青木 義一・五十嵐 雄大(茨城城郭研究会)
主催

茨城大学人文社会科学部
常陸大宮市教育委員会
茨城県教育委員会

共催

茨城大学五浦美術文化研究所

調査の概要

調査期間

平成30年度から令和4年度までの5か年

調査範囲

県内全域(水戸地区、県北地区、鹿行地区、県南地区、県西地区の5地域に区分することを基本とするが、当時の各氏族・勢力の支配領域にも配慮する)の中世城館跡

調査内容

中世城館跡の現況・遺構の確認、城館跡の構造・城館跡を含む歴史的景観の復元、城館跡に関する歴史的背景の調査

調査組織

「茨城県中世城館跡総合調査委員会」を設置し、専門委員と調査員が地区毎に役割分担(遺跡選定・解説、史料、縄張図作成など)して調査を実施

調査の経過

令和4年度の調査

調査事業5年目を迎えました

平成30年度から実施している本調査事業も5年目を迎えました。コロナ禍で行動が制約される中、着々と調査が進んでいます。今年度は調査成果をまとめ、順次原稿執筆にとりかかっていきます。
7月1日には、今年度第1回目の調査委員会を実施し、原稿執筆についての確認や、調査成果の発表などを行いました。

第1回調査委員会
第1回調査委員会
調査成果の発表
調査成果の発表

令和3年度の調査

調査事業4年目を迎えました

平成30年度から実施している本調査事業も4年目を迎えました。コロナ禍で行動が制約される中、着々と調査が進んでいます。今年度は調査成果をまとめ、順次原稿執筆にとりかかっていきます。

オンラインを用いた委員会
オンラインを用いた委員会
第2回目の委員会を開催しました

11月30日に、鹿嶋市において第2回の委員会を開催しました。
午前中は、原稿執筆の際の確認などを全体で行いました。
午後からは、鹿嶋市の林外城でフィールドワークを行い、縄張図の描き方などの研修を行いました。天候にも恵まれ、成果のあった1日となりました。

全体会
全体会
城館跡での現地研修
城館跡での現地研修
第3回目の委員会を開催しました

3月3日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全委員及び調査員のリモート接続による、第3回目の委員会を開催しました。
文献調査や縄張図作成、原稿執筆などについて、課題を共有し、今後の活動に見通しをもつことができました。令和4年度末の調査報告書刊行に向け意義のある委員会を開くことができました。

全員リモートで参加
全員リモートで参加

令和2年度の調査

順調に進んでいます

中世城館跡の悉皆調査も3年目となりました。文献等では分からない中世城館の全体像を知るために、調査員は現地調査も行います。虫刺されなどにも注意しながら、フィールドワークを続けています。

茨城町小幡城の現地調査
茨城町小幡城の現地調査

令和元年度の調査

調査が2年目に入りました

調査事業も2年目を迎えました。本年度の調査は、昨年度までに市町村教育委員会から提出された「調査カード」を中世史、城郭史、考古学の立場から精査し、調査対象となる城館跡を絞っていきます。
また、現地調査では、堀・土塁といった遺構の現況や、城館跡の構造・範囲等を確認するとともに、古文書・古絵図の閲覧や城館関連の伝承・地名等の聞き取りを行い、城館跡に関する歴史的な景観や背景の調査をしていきます。
中世城館跡に関する情報等がありましたら、茨城県教育庁総務企画部文化課(TEL:029-301-5447)または、市町村教育委員会までお知らせください。
また、現地調査の際には、地域の皆様のご協力をよろしくお願いします。

調査委員会での現地研修(阿見町塙城)
調査委員会での現地研修(阿見町塙城)
県西地区の現地調査(筑西市小栗城跡)
県西地区の現地調査(筑西市小栗城跡)
第2回調査委員会を開催しました

11月19日(火)に県立歴史館講堂において、「令和元年度第2回茨城県中世城館跡総合調査委員会」が開催されました。
委員会の前半では、比毛君男調査員(土浦市教育委員会)から城館跡からの出土遺物について、五十嵐雄大調査員(茨城城郭研究会)から新しく発見された城館跡について、これまでの調査成果の発表がありました。後半では、各地区部会の調査の進捗状況報告や今後の課題について協議しました。
各地区部会では、詳細調査の対象城館跡の絞り込みが進み、今後は、さらに現地調査が活発に行われる予定です。
中世城館跡に関する情報等がありましたら、茨城県教育庁総務企画部文化課(TEL:029-301-5447)または、市町村教育委員会までお知らせください。
また、現地調査の際には、地域の皆様のご協力をよろしくお願いします。

第2回調査委員会
第2回調査委員会
県西地区(結城城跡)での現地調査
県西地区(結城城跡)での現地調査

平成30年度の調査

第1回調査委員会を開催しました

平成30年6月22日(金)に第1回茨城県中世城館跡総合調査委員会を開催しました。
専門委員4名、調査員20名に委嘱状を交付し、調査の概要、内容・方法、計画、分担について協議し、5年計画の調査事業がスタートしました。

5か年の調査事業がスタートしました
5か年の調査事業がスタートしました
調査の進め方について、意見交換を行いました
調査の進め方について、意見交換を行いました
県内の城館跡は1000ヶ所を超す?

平成30年度の調査では、各市町村教育委員会のご協力により、調査の基礎になる調査カードを作成しました。県内で、調査以前に城館跡として遺跡に登録されていた数は、843ヶ所でしたが、調査カードの報告数では、1078ヶ所となり、200ヶ所あまり増加しました。これら、すべてが中世の城館跡に関係するものかは今後の調査の結果によりますが、改めて県内の中世城館跡の数の多さに驚かされました。

市町村教育委員会への説明会(平成30年7月31日開催)
市町村教育委員会への説明会(平成30年7月31日開催)

お問い合わせ先

茨城県教育庁 総務企画部 文化課 埋蔵文化財担当

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6
電話:029-301-5447
FAX:029-301-5469
メールアドレス:bunka@pref.ibaraki.lg.jp