思春期の特徴
思春期とは
思春期とは、体も心も大きく変化する時期です。
体や心の急激な変化は子ども自身にとっても、大きな心の負担になります。
思春期の子どもたちはもやもやした気持ちを抱えていたり、イライラしているように見えたりすることがあります。
また、思春期は第二次反抗期と言われることがあります。
反抗的な態度は、子どもたちが自立の過程にあるからこそ生じるものであり、成長のあかしと言えるでしょう。
体の変化
思春期の始まりは、第二次性徴と呼ばれる体の急激な変化によって始まります。
子ども自身もその変化にとても戸惑います。
成長には個人差が大きいため、自分の体や容姿に意識が向き始める時期です。
体が性的に成熟するにともない、性的な関心が大きくなります。
子どもによっては、身体の性に違和感をもつ場合もあります。
そうした場合には、自分の体に嫌悪感を感じて、人知れず悩んでいることもあります。
心の変化
思春期になると、子どもたちは、物事を客観的に見ることができるようになり、自分と自分以外の人との違いが意識されるようになります。
「自分とは何か?」と自分自身について考えるようになり、周囲の人からどのように見られているのかということを気にする子どもが増えます。
人の目や評価がとても気になり、人との関わりに強い緊張や苦痛を感じることもあります。
思春期は、子どもたちにとって、自分自身のことが自分でもよく分からない時期です。
自分でも自覚できない悩みや心の不調が頭痛や腹痛、吐き気などの体の症状として現れる子どももいます。
さらには、自分自身を傷つけてしまう子どももいます。
大人への気持ちの変化
子どもたちは、自分のことは自分で決めたいという気持ちから、「放っておいてほしい」「口出ししないでほしい」などと言うこともあります。
子どもが保護者をうっとうしく思うことや反抗的な態度を見せることは、成長途中にある子どもにはごく普通にあることです。
一方で、自分の力だけでやっていく自信はまだありません。
大人に干渉されずに自分の思い通りにしたいという自立心と、大人に甘えて頼りたいという依存心の間を行ったり来たりします。
また、思春期は、これまで絶対だと思っていた大人の価値観に疑問を持つようになる時期でもあります。
対人関係の変化
対人関係も大きく変化します。
思春期の子どもは、友人関係のなかで成長していきます。
友人関係は、単なる遊び仲間・話し相手から、趣味や価値観の合う友人、自分のことを理解してくれる友人など、より深く親密な関係性を求めるようになります。
思春期の子どもが友だちのことで悩むのは、 子どもが着実に成長しているあかしでもあります。とはいえ、友だちとのかかわりで精神的に疲れることもあります。
思春期には異性とのかかわり方も変化していきます。
小学生の頃のように、男女分け隔てなく関われなくなったという喪失感を感じる子どももいます。
異性との恋愛に悩んだり、男女交際を経験する子どもたちもいます。一方で、周りの子どもたちのように異性に恋愛感情をもてず、悩む子どももいます。
保護者も成長するとき
子どもの思春期は、保護者が子どもへの接し方を変える時期でもあります。
思春期の子どもたちの課題の1つが親離れであるのと同時に、保護者も子離れをすることが課題となります。
思春期の子どもたちは、幼少期に比べると、自分のことは自分でできるようになっています。
子どもの成長に伴い、親の役割は、少しずつ「見守り」へと変化します。
将来、子どもたちは独り立ちして親の手を離れることを前提に、保護者自身の生活を充実させていきましょう。
思春期は幼虫から蝶に孵るのを待つさなぎに例えられます。
外からは見えませんが、さなぎの中では幼虫というあり方から、蝶というあり方への大きな変化が起こっています。その変化の器であるさなぎが壊れないように、大人たちは守っていくことが必要です。
思春期の変化のエネルギーはとても大きいものです。それが暴走してしまう場合には、壁となってとめることが大人の役割です。子どもたちの成長する力を信じて、見守り関わり続けることが大切です。
参考文献:河合隼雄(2013)こころの最終講義 新潮文庫
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