わが子が思春期を迎えるとき
身体の変化を受け入れながら、親や友人との間で新たな関係を築きつつ、大人としての自分をつくり始めるのが、中学生の時期です。この時期は、心身の変化が著しいため、子どもによっては心と体の成長バランスの調整がうまくいかず、一時的に不安や混乱を生じる場合もあります。
思春期初期の子どもたち
12歳から13歳の中学校前半のころまでは、思春期の初期にあたります。
この時期は心身ともに大きく変化するスタート地点です。小学校の時に比べて心や体の変化が一層はやくなります。心の中では、お父さんやお母さんとの関係に加え、学校や友達、テレビなどのマスメディアといった家庭の外にある社会との結び付きが深まります。また、親子の会話の中で、劣等感や自己嫌悪の感情、正義感などが見え隠れし始めるのもこの時期です。それが、やがて第二次反抗期というスタイルを取るようになっていきます。揺れ動く不安定なこの時期、どのようなつまずきであっても、子どもは回復していく力を持っています。そして、親と子のかかわりによって、その力はより促進される可能性があります。
思春期の特徴
言葉
思春期の子どもたちは自分の思いをうまく言葉にできないことが多いです。言葉にできたとしても、大人には伝えてくれない時期です。
- その背景には、
- 大人になんか分かってたまるか(反抗)
- 大人には分かってもらえない(あきらめ)
- 親に心配をかけたくない(けなげな思い)
- 親だから子どもの気持ちくらい分かるはずだ(尊大な甘え)
という思いがあります。
行動
言葉に出せない悩みやストレスは行動として表れます。心にたまったモヤモヤは物や人に対する暴力などとして表れることもあります。「キレる」という行動もその一つです。時に、自分自身を傷つけてしまうこともあります。
身体
身体化として訴える子どももいます。これは頭痛や腹痛、吐き気などの身体症状として訴えるケースです。自分でも自覚できていない悩みやストレスが自分の意志に関係なく身体症状として表れます。
子どもへのかかわり方を振り返ってみましょう。
次の問いについて、自分に心当たりがある方はチェックしてみましょう。
もしかしたら、子どもの教育に対して、少々かたくなだったり、力が入り過ぎたりしているかもしれません。
- 子どもに説教をし始めたら止まらなくなることが多い
- 子どもに嫌われるのが怖い
- 子どもを説得する自信がない
- 「子どものよいところを10個以上挙げろ」と言われたら困ってしまう
- うちの子に限って問題を起こすはずがない
- 子どもにできるだけ好かれていたい
- 子どもをほめるのが苦手だ
- 子どもには弱みを見せるべきではない
- ときどき親としてどうしてよいか分からなくなる
- つい手出し口出ししてしまう
- 自分の趣味に取り組んでいると子どものことをすっかり忘れてしまう
参考文献:諸富祥彦『子どもよりも親が怖い』青春出版社2002
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