最優秀賞 土浦市立上大津東小学校
危険予測・回避能力を高める系統的・段階的な学校安全教育の推進
これまでの課題と活動のねらい
課題の把握と設定状況
近年、数十年に一度の地震、大雨、洪水、暴風、竜巻などが頻発しており、本県においても大きな被害が発生している。本校も本年度は2度、台風時の避難所として学校解放をしており、今後、さらに児童、教職員の危険予測・回避能力の育成が必須である。しかし、各学年、各教科等において安全や防災 に関する学習や体験活動等を計画的に行なっているものの、それぞれが断片的な学びとなっている感は否めない。そこで、安全担当職員を中心に、現行の学校安全計画を段階的・計画的で教科等横断的なカリキュラム編成という視点から、再点検し、小学校六年間の安全に関する学習を有機的に構成し、意図 的、計画的、継続的な安全教育を推進することで、児童の危険予測・回避能力や防災・安全に対する意識を高め、自ら命を守れる児童の育成するために本テーマを設定した。
活動のねらい
- 学校安全計画を見直し、段階的・計画的で教科横断的な視点をもって見直しを図り、実施することで、児童が自ら災害等から身を守るための危険予測・回避能力を高める。
- 職員研修を充実させることにより、教職員の安全確保に関する知識・技能の共通理解を図る。
- 地域や関係機関との連携を図り、防災体制の整備を整える。地域と連携した防災教育を計画的、系統的に位置付ける。
計画と実践の状況
計画
- 学校安全計画の見直し、学校運営協議委員による危機管理マニュアルの見直し→改訂(8月、2月)
- 学校運営協議会(コミュニティスクール会議)への学校防災組織の位置づけ(10月、2月)
- 段階的・計画的な防災・安全教育の効果的な実践、職員研修の実施(通年)
- 学習成果の検証(3月)
実践の状況
- 学校安全計画の見直し→担当職員中心に計画の見直しを図り、職員間での共通理解を図った。
- 安全計画に基づいた学習の実践
低学年…学級活動【学ぶ】→防災倉庫の見学【触れる】→シェイクアウト訓練【体験する】
中学年…社会(3年生…消防、警察の仕事 4年生…地震・災害から暮らしを守る)【学ぶ】→Dr.ナダレンジャーによる防災科学実験教室【触れる】→避難訓練【体験する】
高学年…理科(流れる水の働き・地震)【学ぶ】→校外学習での災害実験見学【触れる】→消防士を招聘した安全教室、KYTトレーニング【体験する】 - 職員研修の実施→心肺蘇生法、アレルギー事故を想定した研修、不審者対応研修、学校安全KYTトレーニング
成果と今後の課題
成果
- 段階的・系統的な視点から学校安全計画の改訂を行った。
本校の実態を考慮し、学校安全計画を全面改定することができた。また、アンケートの結果から、「災害に備えたい」という回答が、79.8%→90.1%、「災害対策について学習したい」80.4%→92.4%へと向上が見られた。このことから、児童の意識の改善が図られたと考える。 - 計画的な職員研修の実施…計画的な各研修により、緊急時の体制について共通理解が図れた。
- 学校運営協議会委員(コミュニティスクール)による危機管理マニュアルの見直しと防災事業の実施(継続中)
今後の課題
- 学校運営協議会等地域との連携による持続可能な防災事業の実施が課題である。
- 児童並びに家庭の災害等に関する危険予測・回避能力の育成が今後の課題である。
- 児童および教職員の危険予測・回避能力の変容に関する客観的評価方法の確立が必要である。