優秀賞 八千代町立西豊田小学校
いのちを学ぼうWEEK(救命教育、生命の安全教育、防災教育)
これまでの課題と活動のねらい
課題の把握と設定状況
近年、子供の命に関わる重大な事件が多発しており、少子化、都市化、情報化等の社会の急激な変化は、子供たちに様々な影響を与えている。また、子供たちの社会性が不足していることが指摘されるようになり、人とうまく関わることができない子供が増えてきていると言われている。
本校でも小さなけがで不安を訴える児童や、不定愁訴で繰り返し保健室に来室する児童と接する中で、人間関係づくりの不得手な子や自尊感情の低い子が増えていると感じる。また、児童の中には基礎疾患を持つ子が数名おり、救急搬送した事例もある。すべての児童にとって安心安全に学校生活を送ることは最も重要であると考える。そこで、教職員には、救急体制の確立や万一の危機発生時にはその被害を最小限にくい止めるために、全教職員の危機意識の向上を図る研修を行い、児童には、自他の命を大切にすること、命を尊ぶことのできる豊かな心を育てることを目的として、本テーマを設定した。
活動のねらい
- 自他の命や体、心を大切にし、望ましい人間関係や自尊感情を育むため
- 児童が自他の生命尊重を基盤として、自ら安全に行動し、「自分の命は自分で守る」という資質や能力を育てるため
- 教職員の救急体制の確立と危機意識の向上を図る
計画と実践の状況
計画
年間計画に3回、命を学ぶ一週間があり、その期間に担任や養護教諭が発達段階に応じた「救命教育」と「生命の安全教育」「防災教育」の指導を行う。
- 5月(運動会前)救命救急
- 6月(水泳指導前)生命の安全教育
- 9月(防災の日以降)防災教育
- 11月(授業参観時)防災教育(マイタイムライン)
実践の状況
別添資料参照
成果と今後の課題
成果
救命教育を行い、児童に「学校内で倒れた人を見たら心停止かも!」と考えるよう指導した結果、友達の命を守るために自分が果たすべき役割を考える力を育てることができた。また、救急体制を整えることは、児童の命を守るだけでなく、教職員も守ることになった。研修を重ねることにより教職員の力量が高まり、教職員や児童が取るべき行動を明確にすることができた。
- 学校評価アンケート(子どもの自己評価 4段階評価)
自分の命を守る行動をしているか。R4.12月:3.7ポイント→R5.7月:3.9ポイント
今後の課題
発達段階に応じた学習・体験、事後の振り返り等から新たな課題を発見し、テーマや内容・教材・学習方法を検討し、指導を改善していくことが必要である。
また、生き方についての価値観や考え方は多様であり、子供たち一人ひとりの家庭環境も様々であるので、実践に当たっては個々の状況を十分に考慮した上で、家庭・地域からの理解や協力を得る必要がある。