優秀賞 牛久市立おくの義務教育学校

学校薬剤師や地域人材と連携し、発達段階に応じて実施する医薬品教育と薬物乱用防止教育

これまでの課題と活動のねらい

課題の把握と設定状況

健康相談や保健指導を行う中で、医薬品がなければ治らないと考える児童生徒が見られる。そこで、学校薬剤師や地域と連携し、発達段階に合わせた系統的・継続的な指導を行うことで、児童生徒が自ら、自身の健康の保持増進に関心をもち、薬物乱用防止意識や医薬品と正しく関わろうとする意識、実践しようとする態度の涵養ができると考え、本主題を設定した。

活動のねらい
  • 学校薬剤師や地域と連携し、専門的立場から医薬品教育と薬物乱用防止教育の実施体制を構築する。
  • 義務教育学校の特色を生かし、発達段階や児童生徒の特性に合わせて内容や実施形態を検討する。
  • 児童生徒等が自らの健康保持増進に関心をもち、違法薬物や医薬品の不適切な利用等から身を守るための危険予測・回避能力を高める。

計画と実践の状況

8年生
薬物乱用防止教室
  • 事前アンケート作成と打ち合わせ(4月)
  • 授業内容確認(5月)
  • 物乱用防止教室実施(6月)
  • 事後アンケートと次年度への反省(8月)
5年生
お薬教室
  • 実施計画・打ち合わせ(8月)
  • 事前アンケート・事前練習、お薬教室実施(9月)
  • 事後アンケートと次年度への反省(9月〜10月)
6年生
薬物乱用防止教室
  • 事前打ち合わせ(2月)
  • 薬物乱用防止教室実施(3月)
全学年・保護者
啓発活動
  • 学校図書館と連携イベント(通年)
  • 児童生徒保健委員会による動画や掲示物作成による啓発活動(通年)
  • ほけんだよりや廊下掲示物(通年)

成果と今後の課題

成果
  • 学校薬剤師の活用や地域や・家庭との連携により、児童生徒の主体的に学ぶ姿が見られ、結果として医薬品の適正使用や薬物乱用防止に関して学ぼうとする意欲や知識が向上した。
  • お薬教室を経て、薬を水以外で飲むと答える児童は、お茶が40%から21.1%、ジュースが17.5%から10.5%と減少した。また、薬に関する知識として、「主作用」「副作用」を知っている児童は42.5%から89.5%、「とんぷく」を知っている児童は12.5%から71.1%、「自然治癒力」を知っている児童40.0%から94.7%と増加した。感想記述では「今までは副作用などの意味が分からなかったので知れてよかった」「色々な薬、薬の飲み方が分かった。今までは全然薬のこと知らなかったので勉強になった。一番びっくりしたのはカプセルがあんな風に溶けることだった。楽しかった」などと、知識が増えたことや実験に対する前向きな感想が見られた。
  • 薬物乱用防止教室を経て、「薬」を飲めば元気になるというイメージは62.1%から40.0%と減少し、「薬物」が手に入りやすいものというイメージは27.6%から36.0%へ増加した。自由記述では「実際対処法があっても簡単に逃げられそうじゃないから不安」「前よりも薬物の危険さが分かったし普通の薬の飲み方にも気を付けようと思った」「薬物をやっている人から誘われた時のことを考えたことがなかったから対処法などを知れてよかった」など、日常生活での医薬品の使用についてや授業内で行ったロールプレイについての感想が見られた。
今後の課題
  • 系統的・継続的に実施するため、各専門分野の特色を生かしたチームでの教育活動を進め、学級活動や道徳の時間等のカリキュラムに取り入れ、教科等横断的な視点をもって意識的につなげていく。
  • 学校行事や学校保健委員会において薬物乱用防止教室や医薬品教育を実施する等、子供に直接関わる家庭や地域に対し、問題提起や知識の共有、連携を行うことが重要である。
  • 本教育の効果継続性を計測し、より効果的な内容や構成、授業形態を検討し、継続して実施する。

 

実践の状況や今後の課題等詳しくはこちらのPDFをご覧ください
牛久市立おくの義務教育学校の取組