今、茨城県の高校は?

県立高校の現状

県立高校は、令和5年5月1日現在で95校(本校94校・分校1校)設置されています。
全日制、定時制及び通信制課程の学校があり、それぞれの課程に多くの生徒が在籍し、特色ある学びの中で、自己の実現に向けて励んでいます。

学級数・在籍者数
  • 全日制 1,312学級 47,274人
  • 定時制 99学級 1,324人
  • 通信制 884人

全日制課程

中学校と同じように昼間の時間帯に授業を行う一般的な課程であり、1日6~7時間分ほどの授業を受けて、3年間で卒業することを基本としています。令和5年5月1日現在で89校(本校88校・分校1校)がこの課程を設置し、1,312学級 47,274人の生徒が在籍しています。
全日制課程では、学年制と単位制の2つのタイプの高校があり、学年制とは、学習する教科・科目が、学年ごとに定められており、その学習成果が認められると単位が与えられ、次の学年に進級する制度です。また、単位制とは、学年の区別がなく、3年間の中で必修(必履修)科目の他に自分に適した教科・科目を選択し、その学習成果が認められ、入学から卒業までに決められた単位数を修得すれば卒業できる制度です。学科も、普通科だけでなく、専門学科や総合学科など多数設置しており、生徒の多様な個性や社会の変化などに対応しています。詳しくは、「高等学校の課程について」のページをご覧ください。

定時制課程

本来、就職して進学を希望する勤労青年に対して、夜間その他特別の時間に勉強することができる課程ですが、現在は夜間部だけではなく午前部や午後部などが設定されており、勤労青年だけではなく、多様な学習歴や生活スタイルに対応した学びを提供しており、令和5年5月1日現在で13校 99学級 1,324人の生徒が在籍しています。
また、定時制課程に在籍する生徒は、一部の科目を通信制の課程で修得したり、高等学校卒業程度認定試験や大学入学資格検定に合格した科目を、それに相当する高等学校の各教科、科目の単位を修得したとみなし、卒業に必要な単位に加えたりすることができます。これにより、3年間での卒業が可能となります。

通信制課程

学ぶ意欲がありながら、仕事の都合やその他の理由から、全日制にも定時制にも進学できない人のために、“通信”という方法により高校教育を行う課程です。設置している学校は水戸南高校1校で、普通科とライフデザイン科の2つの学科があり、令和5年5月1日現在で884人の生徒が在籍しています。
学習方法は、主に学校とのレポートのやりとりです。そのレポートの結果と、2週間に1日のペースで登校して受ける面接指導スクーリング及び年2回の期末試験で単位を修得します。

新しいタイプの高校

現在の高校や高校生を取り巻く状況をみると、国際化、情報化、少子高齢化などが進み、社会が大きく変化しています。
また、中学校を卒業する人のほとんどが高校などに進学するようになり、高校生の進路希望はますます多様化しています。
そこで次のようなことが学校に求められています。

  • 時代の進展や生徒・保護者のニーズに対応した魅力ある学科の設置
  • 全日制の単位制高等学校、多部制の定時制課程の単位制高等学校、中高一貫教育校の設置
  • 確かな学力を育成するとともにキャリア教育を推進する学校づくり
  • 多様な進路希望等に対応した弾力的な教育課程を編成するなどの創意と工夫を生かした特色ある学校づくり

これらに対応するため県教育委員会では、以下の取組を進めてきました。

学科改編の推進

AI・IoTなど科学技術の進展やIT人材の不足、日本語を母語としない生徒の増加といった、社会の変化や地域のニーズへの対応として、令和4年度以降、外国人生徒等への支援の拡充、科学技術高校やIT専科高校の設置など、魅力ある学校の設置の準備を進めていきました。(県立高等学校改革プラン実施プランⅠ期第2部)

定時制課程における単位制高校

定時制課程における単位制高校は、学習歴や生活環境などが多様な生徒に対し、広く高校教育の機会を確保する目的で、平成3年度から、水戸南高校に導入しました。以降、平成30年度までに4校に導入し、この5校を本県ではフレックススクールと呼んでいます。

フレックススクール

平成3年度水戸南高校
平成17年度鹿島灘高校
平成20年度結城第二高校
平成24年度茎崎高校
平成30年度高萩高校

その特色は、

  • 昼間(あるいは午前・午後)、夜間の中から、ライフスタイルに合わせて学ぶ時間帯を選択可能
  • 多様な科目群の中から各自が学びたい科目を選択可能
  • 過去に在学した高校において修得した単位の加算
  • 異年次混合授業
  • 通信制課程との併修の実施
  • 転編入学生の受入れ

などであり、誰でも、自分に合った時間に、必要に応じて高校教育が受けられるよう、生涯学習の観点に立った特別な措置を認めています。

また、フレックススクールとは別に、情報化の急速な進展に対応できる実践的な情報活用能力と、社会の諸問題を分析・解決できる能力を培い、将来IT分野で活躍できる人財を育成する目的で、令和5年度に、IT未来高校を設置しました。その特色は、

  • 専門教科情報科のみの専科高校で、充実したICT環境と、それらを積極的に活用した学びを展開
  • 定時制の仕組みを利用した昼間二部制とすることで、県内の広域から通学可能
  • 2年次から興味・関心に合わせて、情報システムと情報デザインの2コースから選択
  • IT科(B)は、③~⑥限が授業時間帯となり、全日制と同時間帯に授業が終了
    参考:フレックススクールの午後部は、⑤~⑧限が授業時間帯であり、13~17時頃を基本とする
設置年度学校名
令和5年度IT未来高校

全日制課程における単位制高校

個性を最大限に伸長する教育を一層促進するため、生徒の科目選択の幅を拡大する単位制を全日制課程にも導入しました。平成10年度に牛久栄進高校が普通科の全日制単位制高校となって以来、以下の高校がの全日制単位制高校となりました。これらの高校の他に、総合学科の高校と、中等教育学校(後期課程)は、単位制を採用しています。
具体的な学校名は、以下の総合学科、中高一貫教育校の項目をご覧ください。

全日制単位制普通科高校

導入年度学校名
平成10年度牛久栄進高校
平成15年度太田第一高校
平成16年度日立第一高校、水海道第一高校
平成17年度水戸第一高校
平成19年度鉾田第一高校
平成20年度磯原郷英高校
平成21年度石下紫峰高校(アクティブスクール)
平成23年度茨城東高校(アクティブスクール)
令和5年度鹿島高校、竜ヶ崎第一高校、下館第一高校
令和6年度土浦第一高校(導入予定)
令和7年度下妻第一高校(導入予定)

アクティブスクールは、基礎学力の定着を図った上で、多彩なキャリア教育を実施することで、生徒一人一人の能力・適性、興味・関心等に応じた教育を推進する全日制課程の単位制高校です。

全日制単位制専門高校

導入年度学校名
平成20年度勝田工業高校
令和5年度つくばサイエンス高校

全日制単位制高校の特色は、

  • 学年の枠がなく、3年間の学習計画に基づく自分の時間割の作成が可能
  • 少人数編成授業、習熟度別授業など多様な形態の授業の実施が可能
  • 生徒の興味・関心、進路希望などに基づく主体的な学習が可能
  • 学習意欲を高めることによる、一人ひとりの個性を生かした進路希望の実現が可能

といったことです。

総合学科

普通科、専門学科に次ぐ「第3の学科」として登場したのが「総合学科」です。総合学科の高校では、将来の進路への自覚を深める学習を重視し、ガイダンスを通して生徒が自らの適性や能力などを見極め、自己にふさわしい進路を見いだすことを目指すものです。

総合学科の主な特色は、

  • 普通科目と専門科目の多様な選択科目群(系列)の中から興味・関心、進路希望などに応じて科目を選択し、幅広く学習することが可能
  • 進路への自覚を深めるための学習を重視したガイダンス機能の充実
  • 生徒一人ひとりが自己にふさわしい進路を決定することが可能
  • 単位制を採用しているので、一人ひとりの生徒が学びたい科目や必要な科目を選択することが可能

総合学科は、平成10年度に八千代高校に設置して以降、以下の高校に設置しています。

総合学科の高校

設置年度学校名
平成10年度八千代高校
平成15年度取手第一高校
平成16年度大子清流高校、鉾田第二高校
平成17年度江戸崎総合高校
平成18年度高萩清松高校
平成24年度日立工業高校(定時制)
令和2年度坂東清風高校

中高一貫教育校

中高一貫教育校では、中学校と高校を接続することにより、6年間で計画的・継続的な学習を行うことができます。

現在県内には14校の中高一貫教育校が設置されています。設置形態ごとに、設置者が異なる中学校と高校が連携して教育活動を行う「連携型」が 1校、中学校と高校とを分けずに一つの学校として6年間一体的に教育を行う「中等教育学校」が3校、同じ設置者による中学校と高校を接続して教育を行う「併設型」が10校設置されています。

連携型

設置年度学校名連携先中学校
平成15年度小瀬高校常陸大宮市立明峰中学校

中等教育学校

設置年度学校名
平成20年度並木中等教育学校
平成25年度古河中等教育学校
令和3年度勝田中等教育学校

併設型

設置年度学校名
平成24年度日立第一高校・附属中学校
令和2年度太田第一高校・附属中学校、鉾田第一高校・附属中学校、鹿島高校・附属中学校、竜ヶ崎第一高校・附属中学校、下館第一高校・附属中学校
令和3年度水戸第一高校・附属中学校、土浦第一高校・附属中学校
令和4年度下妻第一高校・附属中学校、水海道第一高校・附属中学校

私立高校の現状

私立高校は、県内には33校(全日、通信併置校は1校と計上。中等は含まず。株式会社立の高校を含む。)が設置されており、令和5年5月1日現在で49,146人(学法人立:41,684人、株立:7,462人)の生徒が在籍し、勉学に、あるいはスポーツ・文化活動などにいそしみながら個々の能力を伸長しています。

本県の私立高校の特色は、

  • 中学校を併設して一貫教育を実践している学校
  • 男女別学により歴史性や伝統を重んじた専門教育を実施している学校
  • 宗教教育による人間性のかん養を図っている学校

などがあり、それぞれが建学の精神に基づいた独自の校風を礎に教育活動を展開し、公教育の重要な一翼を担っています。

また、生徒一人ひとりの能力や個性が十分発揮できるよう、進路に応じたクラス・教育課程の編成、国際理解を深める海外研修や帰国子女の積極的な受け入れ、情報化社会に対応したマルチメディア活用による授業の導入など、教育環境も充実しており、恵まれた教育環境の中でスポーツ・文化活動などの分野においても全国レベルに達する実績をあげています。

その他

構造改革特区制度を活用することにより、学校法人以外の者が学校を設置することが認められることになりました。本県でも、教育特区の認定に基づき、株式会社立の高校が所在市町の認可を受けて、平成17年度より開校されています。

お問い合わせ先

茨城県教育庁 総務企画部 総務課 広報・広聴グループ

〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978番6
電話:029-301-5148
FAX:029-301-5139
メールアドレス:kyoikusomu8@pref.ibaraki.lg.jp