いばらきの文化財

国登録 有形文化財 建造物

旧共楽館(日立武道館)

日立市

旧共楽館は、明治末期から大正期にかけて日立鉱山の発展に伴い、鉱業都市の商業中心地として栄えた地区の中心に位置しており、「共に楽しむ」の命名のごとく、日立鉱山従業員や地域住民の厚生・慰安施設として日立鉱山により建築された。 設計は日立鉱山の設計技師であり、東京・歌舞伎座の構造を模して造られ、西欧の構造力学を応用し幅22mの大スパンを実現している。また、唐破風の屋根や格天井などには伝統的日本建築の意匠が見られる。当時1階は長椅子席、2階は畳席で、回り舞台や花道があり、約1,800人が入場できたという(内部の椅子席や畳席、舞台、花道などは武道館への改修時に取り去られている)。 共楽館では、歌舞伎・歌謡ショー・映画会などが開かれ、当時の日立地方において、文化の向上と娯楽の場として果たした役割は大きい。しかし、戦後のテレビの普及や新しい娯楽の出現とともに、昭和30年後半には芸能の興業や映画などが打ち切られ、その後町内会や学校の集会、講習会などに使用されてきた。昭和42年10月1日に日本鉱業株式会社から日立市に建物が寄贈され、内部を一部改装し、現在に至るまで日立武道館として市民に利用されている。

旧共楽館(日立武道館)

登録日 平成11年7月8日
所在地 日立市白銀町2-21-15
所有者 日立市
旧共楽館(日立武道館)
登録番号
構造木造2階建、鉄板葺、建築面積1,200m2
建設年代大正6年