国登録 有形文化財 建造物
潮田家住宅見世蔵ほか3棟
桜川市
潮田家は筑波山の北に位置する真壁町のほぼ中央にあり、屋号を「鶴屋」と称し、かつては呉服商を営んでいた。
見世蔵は明治43年の建築で、通り側に広く帳場を構え、奥に座敷を配する黒漆喰の町屋である。北側には見世蔵1階の帳場に面して観音扉口を設ける袖蔵(明治45年)を持ち、御陣屋前通りに面した商家の構えとして重厚感を感じさせる。
見世蔵の西側には渡り廊下で結ばれる別荘(離れ)があり、全体に良質の材料を用い丁寧な数寄屋風に仕上げられている。この別荘は、明治期において皇族の宿泊所にあてられている。
脇蔵(明治30年)は見世蔵、袖蔵とやや離れて建ち、袖蔵より建築年代が古く、大規模商家の屋敷構成には欠かせない存在である。これら3棟が一体となって在りし日の呉服商・鶴屋の繁栄を今に伝えるとともに、御陣屋前通りの重要な景観を造っている。
真壁町には古い町並みの中に歴史的な建造物が多数残っており、真壁町歴史民俗資料館では歴史ある建造物について調査を継続中である。同館によると、現在までに把握した建造物は約100棟あり、所有者の同意が得られ次第順次登録を進め、町並み保存と地域の活性化につなげたいとしている。