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いばらきの文化財

国登録 有形文化財 建造物

中村家住宅主屋ほか2棟

桜川市

中村家の建物は、真壁町の中心部である新宿通りの南側に位置する。
中村家は、真壁で最も古い旧家の一つとして知られている。当主で19代目を数え、すでに17世紀後期(寛文9年(1667))には、この地で繰綿を扱う仲買人を営んでいたことが、同家に残る資料によって分かる。江戸時代の中村家は、繰綿だけではなく、木綿や生糸、絹織物、穀物、酒、たばこなど様々な商品を扱うととともに、新宿町の名主・年寄を勤め、当主は代々作右衛門を名乗っていた。明治期以降は地主として酒造業、次いで荒物商や穀物商を営み、戦後は砂糖の卸売を行っていたが、平成8年に廃業している。
中村家の建造物の中で最も目を引くのは主屋で、接客用の座敷として建設されたと伝えられる。明治43年の陸軍大演習の際には、この建物に閑院宮が宿泊している。建物の格式や部材の古さでは、真壁に残るこの種の建物の筆頭に位置付けることができる。
中村家の主屋と文庫倉、薬医門及び築地塀は、いずれも明治期の建設と考えられる貴重な遺構であり、保存状態も良い。文庫倉も重厚かつ本格的な造りであり、薬医門と築地塀も古式を留め、真壁の歴史的景観に重要な役割を果たしている。

中村家住宅主屋ほか2棟

登録日 平成14年6月25日
所在地 桜川市真壁町大字真壁391番地
所有者 個人
中村家住宅主屋
登録番号第08-0062号
構造木造平屋、建築面積122m2
建設年代明治初期
中村屋住宅文庫倉
登録番号第08-0064号
構造土蔵造二階建、建築面積26m2
建設年代明治時代
中村屋住宅薬医門及び塀
登録番号第08-0065号
構造間口2.7m、延長25m
建設年代明治時代