いばらきの文化財

国登録 有形文化財 建造物

入江家住宅主屋

桜川市

入江家は代々この地で粉屋を営んでいたが、先々代の米松は商売をやめて著作業に転じ、この住居を建築したという。入江家ではその後も住居として使用していたが、戦後はパチンコ店や花屋に1階の表2室を間貸ししていた。近年になって元に復し、その際、表の座敷や玄関の土間部分が若干改変されている。
主屋は、寄棟・妻入り・総2階建で、梁間3間・桁行6間、伝統的な町屋に比べると、2階の軒の高さが目立っている。正面にむくりのある小庇を設け、2階には手摺を見せている。屋根はわずかながら軒反りをもち、左右の隅木の意匠が異なるなど、細かい配慮を見せている。内部は、1、2階とも3室の座敷が奥に連続し、奥2室の西南部に縁側が廻る。1階玄関に面する表の座敷だけは指鴨居が用いられており、部屋名も「店の間」と呼ばれていたという。かつての店舗の名残りか、あるいは、将来は店舗として使用されることを考えてのことかもしれない。
入江家の主屋は、玄関廻りに改造の跡が見られ、外部の建具がアルミサッシに取り替えられていることを除けば、内外部とも保存状態は極めて良好である。特に材質や造りの良さが目立っており、細部の意匠にも見るべきところが多い。
入江家の主屋は、真壁のかつての中心部であった御陣屋前通りの西側に位置する。南側にわずかな路地を残して、住居は奥に長く、ほぼ敷地いっぱいに建てられている。建築されたのは同家の伝聞や法務局の資料によって昭和元年であるとされる。

入江家住宅主屋

登録日 平成14年8月21日
所在地 桜川市真壁町大字真壁220番地
所有者 個人
入江家主屋
登録番号第08-0068号
構造木造二階建、建築面積60m2
建設年代大正15年