いばらきの文化財

国指定 記念物 史跡

重要文化財

十五郎穴横穴群

じゅうごろうあなよこあなぐん

ひたちなか市

十五郎穴横穴群は、太平洋に東流する那珂川の支流である大川と本郷川に挟まれた舌状台地に位置する横穴墓群です。7世紀前葉~9世紀前葉にかけて、台地崖面に横穴を掘って造られた墓で、谷により分けられた「指渋支群」、「館出支群」、「笠谷支群」を合わせて推定500基を超える横穴墓が分布すると考えられています。
昭和25年から断続的に実施されてきた発掘調査により、須恵器や玉類、武器類などが出土しています。特に、館出支群Ⅰ区第32号墓から出土した直刀や、同群Ⅰ区第35号墓出土の金銅装刀子は、正倉院宝物との類似性が指摘され、注目されます。また、墓の形態については、九州の豊後や肥後地域との関連がうかがえるものがあり、複数の地域からの系譜をもつ可能性があります。
古墳時代終末期から平安時代にかけて造営された東日本最大級の横穴墓群であり、当時の東日本社会を考える上で重要な資料です。

十五郎穴横穴群 指渋支群 (写真提供:ひたちなか市)

十五郎穴横穴群

指定年月日 令和6年2月21日
所在地 ひたちなか市中根字館出3490番1ほか27筆
管理者 ひたちなか市
制作時期 古墳時代~平安時代