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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 絵画

紙本著色 北野天神縁起絵巻

しほんちゃくしょく きたのてんじんえんぎえまき

常総市

「北野天神縁起絵巻」といわれる絵巻物は、古くは「聖廟絵」または「北野聖廟絵」などとよばれた天満宮の縁起絵です。内容は、菅原道真の一代記の事蹟から死後怨霊となって猛威を振るう様子、やがて北野社へ祀られるに至るその由縁と、信不信に対する天神の霊験利益の数々を綴っています。
大生郷天満宮に所蔵されるこの縁起絵巻(大生郷本)は三類に分類される縁起本のうちもっとも成立が古いとされる甲類に属します。詞書(ことばがき)冒頭が「王城鎮守神々多くましませと……」に始まる一群で、まず縁起文のみの建久本が作られ、やがてこれを増補した建保本へと展開します。
その後、両縁起を基に絵巻化が進みました。大生郷本は「応永二十二年十二月大族下天」との奥書(おくがき)から室町時代応永年間(1394~1428)の作と知られています。大江匡衡神罰段など増加された場面がみられ、室町時代に入ってからの縁起絵の展開を示しています。

紙本著色 北野天神縁起絵巻

2巻
指定年月日 昭和35年12月13日
所在地 常総市大生郷町1234
管理者 大生郷天満宮
制作時期 室町時代