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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 絵画

紙本着色 三十六歌仙絵

しほんちゃくしょく さんじゅうろっかせんえ

常総市

三十六歌仙は、藤原公任(960~1041)によって、万葉・古今・後撰和歌集におさめられた奈良時代から平安時代の名歌人の中から、特に優れた36人が撰されたことに始まります。
鎌倉時代には歌仙絵として定着し、和歌の流行と似絵(肖像画)の隆盛とともに画帖・絵巻物などに多く仕立てられますが、室町時代に入ると扁額(へんがく)として描くというまったく異なった様式を創り出すことになります。
この背景には、当時の和歌と神仏を結び付けるという信仰が神社に扁額(へんがく)を奉納するという流行現象を生んだこととも関連するでしょう。
この三十六歌仙は、もとは下妻城主多賀谷政経の愛蔵品と伝えられ、天正4年(1576)10月、大生郷に立て籠もる北条氏堯を討った戦いにおいて天満宮を消失させてしまったため、その罪滅ぼしに鎧太刀とともにこれを奉納したということです。
歌を上段に書き表し、その下段に人物を彩色をもって描いてあり、その筆・画とも極めて優れています。土佐流の筆と思われます。

紙本着色 三十六歌仙絵

36幅
指定年月日 昭和35年12月13日
所在地 常総市大生郷町1234
管理者 大生郷天満宮
制作時期 室町時代末期