いばらきの文化財

県指定 記念物 史跡

馴馬城阯

なれうまじょうし

龍ケ崎市

馴馬城阯は、常磐線佐貫駅の南東約3kmの台地上にあります。牛久方面から南南東に延びる台地の先端は、この付近で沢(山王久保)を挟んで二股に分かれていますが、その南側の比較的細い台地を利用して城が作られていたと思われます。
文献史料によると、この城跡が南北朝時代の康永3・興国5年(1344)に南朝方の春日顕国がたてこもった「馴馬沼田城(=馴馬城)」に比定されています。
この城は、北朝方の宍戸朝里により攻略されています。
また、これより先、暦応4・興国2年(1341)秋の北朝方の攻勢の際に、南朝方が「河内郡馴馬楯(=馴馬城)」を「引退」したことが史料からわかります。
このことからも、馴馬城は、少なくとも二度、南朝方が拠点にしたと思われます。
馴馬城は、基本的には舌状台地の先端を堀切で区切るという類型的な構造をしています。
ただ中心部が破壊されていることもあって、遺構が明瞭でありませんが、現存する部分を見るかぎり、形式的な新しさが感じられず、その点で南北朝の姿を留めているといえます。

馴馬城阯

指定年月日 昭和15年4月5日
所在地 龍ケ崎市馴馬町2507
管理者 個人
制作時期 南北朝時代