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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 絵画

絹本墨画 芦雁図 立原杏所筆 1幅

けんぽんぼくが ろがんず たちはらきょうしょひつ

水戸市

本図は、絹地に水墨で画面のほぼ下半分に、羽を広げて下降する雁三羽、岩上に止まる雁四羽、下辺の沼にうずくまり、また泳ぐ雁十一羽を配し、靄にかすむ水辺の情景を叙情的に描き出す鑑賞的な掛幅画です。雁は、淡墨の没骨(もっこつ)描で体を描き、濃墨でくちばし・眼・尾羽などを描き、変化をつけています。画面左中央に置かれた岩もまた淡墨の没骨描で描かれ、湖沼の周りに生える葦は打ち込みのある細線により濃淡をつけて描き、画面の詩情をさらに繊細に高める効果を上げています。立原杏所は、水戸彰考館総裁立原翠軒の家督を継いだ後、文化9年(1812)に父らとともに水戸藩の小石川藩邸に移住しました。父と親しい江戸画壇の総帥、谷文晃の主宰する写山楼に頻繁に出入りし、また多くの当時の知識人と交わり、関東文人画の一翼を担いました。この作品の画面に漂う穏やかな情感は、むしろ杏所画の標準的性格を示すものと理解されます。

絹本墨画 芦雁図 立原杏所筆 1幅

1幅
指定年月日 平成14年1月25日
所在地 水戸市緑町
管理者 茨城県立歴史館
制作時期 江戸時代後期