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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 絵画

紙本著色 金山寺図屏風 雪村周継筆

しほんちゃくしょく きんざんじずびょうぶ せっそんしゅうけいひつ

笠間市

雪村が、室町時代末期(16世紀後半)に中国の臨済宗の名刹金山龍游寺を描いた六曲一隻の屏風。
江蘇省鎮江にある金山龍游寺は東晋時代に創建され、宋代以来文人が遊ぶ名勝で、明に渡った室町時代の画僧雪舟も訪れて「金山寺」を描いたという。雪舟の描いた中国の名勝として図様が広まり、雪村も憧れの地として描いたのだろう。直線を駆使して密集した楼閣を描き、その内部には小さく人物の姿も見える。中央の二扇部分に雲状に空白の部分があり、幻想的な雰囲気をたたえる。水面の波は、への字状の描線が集まるところと白いままのところがあり、描写密度に変化をもたせて、空間の広がりを示している。
構図は一隻での独立性が強いものではあるが、一双であった可能性を排除できない。
印章の組み合わせから、雪村の晩年、三春(現在の福島県三春町)時代の制作とみられる。

紙本著色 金山寺図屏風 雪村周継筆

6曲1隻
寸法 縦138.5cm、横321.2cm
指定年月日 平成29年12月25日
所在地 笠間市笠間39番地
管理者 笠間稲荷神社
制作時期 室町時代末期