いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 不動明王坐像

もくぞう ふどうみょうおうざぞう

結城市

寄木造、彩色(さいしき)、一躯、像高50.3cmで、体部とも前後矧ぎ(はぎ)、首枘(くびほぞ)を設け、内刳(うちぐり)、玉眼(ぎょくがん)、両腕矧ぎ付け、両脚部矧ぎ寄せの像です。
肉身(にくしん)には群青彩色(ぐんじょうさいしょく)がところどころに残っています。
慶長9年(1604)に記された「山川不動尊略縁起」によると、平将門が京都へ行ったときに、東寺に安置されていたものを守り本尊として持ち帰ったと記されています。
天慶3年(940)、将門の家臣・坂田蔵人時幸はこの不動明王を持って山川の綾戸城(あやどじょう)にひそんでいましたが、源経基の家臣・安部小太郎幸光の軍勢に攻撃され苦境に陥り、山川沼に逃れて一心に不動明王に戦勝祈願をしたところ、突然、暴風雨となり敵も味方も山川沼に沈んでしまったといわれています。
その後、漁師の網にかかり引き上げられ、仮の小屋をつくって安置されていましたが、慶長6年(1601)、大恵上人によって大栄寺(山川不動尊)にまつられたという伝承が残っています。

木造 不動明王坐像

1躯
寸法 像高50.3cm
指定年月日 昭和33年3月12日
所在地 結城市山川新宿311-1
管理者 大栄寺
制作時期 室町時代