いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 薬師如来坐像

もくぞう やくしにょらいざぞう

水戸市

薬王院(やくおういん)の本尊で、一木造、彫眼(ちょうがん)、素地です。
像高は86.3cmで、杉材を用い、頭・体部は一材彫成です、これに後頭部、背板、左外側部二材、右肩、両足部などを矧(は)ぎ寄せています。
像は、肉髻部(にっけいぶ)が大きく古風を示し、肉取り豊かでしかも引き締まった丸い頬に切れ長の眉と強さをみせる眼、豊かな肩の張りと胸や両足部の厚みのある体貌など、いまだ定型化されない平安時代和様の古様を残しています。螺髪(らほつ)は細かく整い、衣丈(えもん)の彫り口は浅い表現であるなど、制作は平安時代後期、11世紀後半から12世紀前半頃と考えられます。
しかし、ひたすらに温雅な平安末の如来像の風にとどまらない作風は、注目すべきところです。当初は、色彩像と思われますが、現在は素地を表しています。

木造 薬師如来坐像

1躯
寸法 像高86.3cm
指定年月日 昭和34年5月22日
所在地 水戸市元吉田町682
管理者 薬王院
制作時期 平安時代