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いばらきの文化財

県指定 民俗文化財 有形民俗文化財

潮来祇園祭礼山車3台(附唐獅子1対)

いたこぎおんさいれいだし(つけたりからじしいっつい)

潮来市

いずれも潮来祇園祭礼(8月第1金曜日から3日間)において使用される山車で、欅(けやき)造となっています。
山車は潮来ばやしの芸座連(げざれん)が屋台上に乗って演奏する芸能屋台形式のものです。
屋台の勾欄には高彫という精巧かつ華麗な彫物が施されており、二階の部分には趣向を凝らした日本武尊(やまとたけるのみこと)、天照大神(あまてらすおおみかみ)など、歴史、伝説上の山車人形が飾り付けられ、四つの木製の車輪で移動できるようになっています。
上丁の山車は、文政3年(1820)に千葉県佐原市本川岸区が製作したものを明治15年(1882)に譲り受けたものと言い伝えられており、老朽化が進んだため昭和59年(1984)に彫物が施された勾欄などを使って復元されました。額には「豊穣松園書」と記されています。
下丁の山車は、明治元年(1868)から製作が始められ明治5年(1872)に完成し、製作者は宮大工で、氏名は不明と言い伝えられています。六本の柱は四方柾目で、正面の高砂、猿田彦の精巧な彫物があります。額には「豊楽己卯仲夏(明治12年)梅田醫書」と記されています。また山車の前に立てる幟と唐獅子があり、唐獅子には「彫工正蔵恒勝」と署名されています。
四丁目の山車は、明治5年(1872)から製作が始められ、明治8年(1875)に完成したといわれています。本体の製作者及び彫物師は下丁のものと同じということで、昭和60年(1985)に山車人形を滑車で上下できるように改造されました。額には「素鵞街」とあり、額を収納する箱の裏に「明治乙亥(八年)六月七日 額箱 四丁目」と墨書されています。
3台とも彫物が華麗であり、民俗学的に価値の高いものです。

潮来祇園祭礼山車3台(附唐獅子1対)

3台
指定年月日 平成5年1月25日
所在地 潮来市潮来456-1
管理者 潮来祇園祭礼山車保存会
制作時期 上丁山車:江戸時代末期
下丁山車:明治時代
四丁目山車:明治時代