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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 歴史資料

徳川光圀書翰集 7巻(54通)

とくがわみつくにしょかんしゅう

水戸市

本書翰集は、小城藩(おぎはん)3代藩主鍋島元武(なべしまもとたけ)(1662~1713)宛51通、志村金五郎・竹田文左衛門宛各1通の自筆書翰53通と、元武宛の右筆(ゆうひつ)書き1通の計54通からなっています。志村・竹田宛書翰中には、いずれも元武に関する記述が見えますので、当人が受け取ったあと、元武の手許に届けられ、そのまま保管されることになったと考えられます。書翰に年号の記されているものは1通もありませんが、署名および文面の検討から、これらは貞享元年(1684)から藩主を辞した元禄3年(1690)までのものと思われ、藩主在任30年のうちの最後の6年間のものと判断できます。
いわゆる「生類憐みの令」に批判的な光圀のグループ(千寿会)の立場と行動、光圀の60歳前後の心情や心境など光圀研究にも資する貴重なもので、当時の幕府政治や能・囃子(はやし)の流行する江戸市中の雰囲気をうかがえる点でも有意義です。
総じて洒脱で飾らない素顔の見える文面が多く、光圀の人間性を知る上でも興味深い史料といえます。日本史上著名な人物の自筆書翰群として、また、他史料には見られない内容を含む点でも貴重な史料です。

徳川光圀書翰集 7巻(54通)

7巻(54通)
指定年月日 平成23年11月17日
所在地 水戸市三の丸1丁目5番38号
管理者 茨城県立図書館