いばらきの文化財

県指定 有形文化財 考古資料

板碑

いたび

筑西市

板碑は高さ96cm、最大幅29.8cmからなり、扁平な細長い石の上部に二条の横線を刻み、その上は山形にとがらせています。
碑の上部に阿弥陀如来を表す梵字であるキリーク、蓮台の真下の部分に観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)の一節「若念仏者当知之人、即是人中芬陀利花観」の偈(げ)と「弘安元年戌六月」(1278)と紀年銘があります。
この偈は「観無量寿経」の末尾に近い一節の「若念仏者、当知比人、即是人中、芬陀利花、観世音菩薩…」に原典を求めることができます。
この板碑の偈の体裁を整える関係で、下段から「観」の一字を補っているのは、他に例を見ないめずらしい偈であるといわれており、その形状の立派さと相俟って板碑の価値を一層高めています。
ほとんど完形に近く、材質は秩父青石(ちちぶあおいし)の緑泥片岩で作られ、武蔵型の中世の供養塔の一種です。

板碑

1基
寸法 高さ96cm、最大幅29.8cm
指定年月日 昭和50年6月25日
所在地 筑西市辻1269-1
管理者 個人
制作時期 鎌倉時代