いばらきの文化財

県指定 有形文化財 考古資料

銅印

どういん

水戸市

この銅印は、常陸大宮市小野遺跡(ひたちおおみやしおのいせき)から出土したものです。「丈永私印」の四文字を二字二行に配し、周囲に輪郭を施しています。印面は縦3.40cm、横3.22cm、高さ3.70cmで鶏頭状の大きな莟鈕(かんちゅう)を付け、4mmほどの鈕孔(ちゅうこう)が見られます。
小野遺跡は、那珂川と緒川(おがわ)の合流点よりやや下流の標高60mほどの那珂川左岸台地上に位置しており、奈良・平安時代の遺物が多く出土しています。また、丈部里(はせつかべのさと)と箆書(へらがき)された文字瓦の出土も知られています。
「丈永私印」は、この地に居住した丈部(はせつかべ)の私印であったと思われます。「永」はこの私印を用いた人物の名の初字で、この地方の有力な豪族で、郡司層(ぐんじそう)に結びつく人物であったと思われます。

銅印

1顆
寸法 印面:縦3.40cm、横3.22cm
高さ:3.70cm
指定年月日 平成4年1月24日
所在地 水戸市緑町2-1-15
管理者 茨城県立歴史館
制作時期 平安時代