いばらきの文化財

県指定 有形文化財 考古資料

乳飲み児を抱く埴輪

ちのみごをだくはにわ

ひたちなか市

ひたちなか市大平(おおだいら)1丁目地内の大平古墳群の中で、かつて存在していた推定全長約80mの大型前方後円墳から出土したものです。
この埴輪は、高さ27.5cm、両腕間の幅28.0cm、顔の長さ12.5cm、両耳間の幅は12.5cmです。腹部以下が欠けていますが、それ以外はほぼ完形で、わずかに右手首及び束ねた結髷(ゆいまげ)の一部を欠いています。
胸には、この埴輪の大きな特徴である乳飲み児がしがみついており、左乳房にしっかりと吸いついています。右手首は欠けていますが、乳飲み児の下部をおさえていた痕跡が残っています。
焼成などの造りは極めて精巧で、庶民的な風格をもち、伸び伸びとした作風の埴輪です。
慈愛に満ちた母親の愛情を巧みに表現しており、このような造形の埴輪は、全国的にも珍しいものです。

乳飲み児を抱く埴輪

1躯
寸法 高さ:27.5cm、両腕間の幅:28.0cm、
顔の長さ:12.5cm、両耳間の幅:12.5cm
指定年月日 平成9年1月27日
所在地 ひたちなか市中根3499
管理者 ひたちなか市教育委員会
制作時期 古墳時代