いばらきの文化財
文化財種別
県指定 有形文化財 考古資料
東中根遺跡群出土遺物
ひがしなかねいせきぐんしゅつどいぶつ
ひたちなか市
ひたちなか市東中根遺跡群は、那珂川の支流である中丸川と本郷川に挟まれた東中根台地の西縁から南端にかけてひろがる大和田遺跡・清水遺跡・堂山遺跡・笠谷遺跡・野沢前遺跡などの弥生時代中期末から後期を中心とする遺跡群です。
東中根大和田遺跡の弥生土器は、壷形、甕形(かめがた)、鉢形の各器種が揃っています。いずれも口縁部に連続的な押捺(おうなつ)、胴部・体部には特徴的な付加条縄文(ふかじょうじょうもん)が施されています。東中根堂山遺跡の弥生土器は、波状をなす口縁部に上開きの連弧文(れんこもん)、胴上部に下開きの連弧文、頸下部の沈線間(ちんせんかん)に刺突文(しとつもん)が描かれており、いずれも東北地方南部の天王山式土器の特徴と酷似しています。天王山式土器の標式遺跡である福島県白河市天王山遺跡では、東中根式系統の土器が確認されており、那珂川下流域の人びとと久慈川を遡った先の福島県南部域との相互交流を知ることができます。
東中根堂山遺跡の土器群は、弥生時代後期前半「東中根式土器」が設定された際の土器です。東中根大和田遺跡の土器群は、いずれも竪穴住居跡からまとまって出土しており「東中根式土器」を理解する際の基準資料というべきものです。
また、紡錘車(ぼうすいしゃ)は、植物繊維に撚り(より)をかけて糸をつくる器具の回転運動を得る部品で、弥生時代中期後半以後、東関東から東北地方の太平洋側に広く分布する遺物です。これらの資料群は、弥生時代後期前半の茨城県域の地域的特徴を理解する際に基準となるもので、歴史上重要です。
東中根遺跡群出土遺物
数 | 18点 |
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指定年月日 | 平成21年11月19日 |
所在地 | ひたちなか市中根3499番地 |
管理者 | ひたちなか市 |