いばらきの文化財
文化財種別
県指定 有形文化財 考古資料
信太入子ノ台遺跡出土蔵骨器 3点
しだいりこのだいいせきしゅつどぞうこつき
美浦村
信太入子ノ台遺跡は、稲敷台地東縁部の南にのびる標高約25~27mの舌状台地上に営まれた集落跡です。3点の蔵骨器は、遺跡の西北部から出土しました。
第1号蔵骨器は、円形の掘り方内に蓋のついた須恵器甕を据えた状態で出土しました。須恵器甕は、器高29.3cm、底径14.0cmで、蓋に使われた須恵器盤は、推定口径21.0cm、器高3.0cm、底径9.8cmです。胎土の特徴から新治窯跡群産で、8世紀末~9世紀前半につくられたと考えられます。内部には、性別不明の成人焼骨が入っていました。
第2号蔵骨器は、楕円形の土坑内の横穴状の小穴に設置されていました。横穴底面に炭を敷いてから蔵骨器を設置しており、横穴全体は炭で覆われていました。短頸壺は、口径12.7cm、器高22.15cm、底径15.4cm、蓋は、口径15.4cm、器高5.35cmです。胎土、釉の特徴から猿投窯跡群産の9世紀初頭の灰釉陶器(井ヶ谷78号窯式)と考えられます。中には壮年男性の焼骨が入っていました。
第3号蔵骨器は、楕円形の土坑内の横穴状小穴に据えられていました。小穴と蔵骨器が半分ほど埋まるまで炭が入れられ、炭混じりのローム土で蔵骨器を全て覆ったものと推測されます。東海産とみられる短頸壺と須恵器坏蓋で、製作年代は9世紀と考えられます。。短頸壺は、口径14.2cm、器高22.1cm、底径14.5cmで、須恵器坏蓋は口径17.0cm、器高4.8cm、内面には「大伴」の墨書がみられます。性別不明、壮年以上の焼骨が入っていました。
いずれも中に焼骨が残されていたこと、また、蔵骨器が炭に覆われていたことなどから、当時のこの地域が火葬といった埋葬行為を伴う仏教の展開をみていたことが窺がわれ、古代律令下の歴史や宗教を明らかにする上で学術的価値が高いものといえます。
信太入子ノ台遺跡出土蔵骨器 3点
数 | 3点 |
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指定年月日 | 平成30年12月27日 |
所在地 | 稲敷郡美浦村大字土浦2359番地(美浦村文化財センター) |
管理者 | 美浦村教育委員会 |
制作時期 | 8世紀末~9世紀 |