いばらきの文化財
文化財種別
県指定 有形文化財 古文書
税所文書 19点
さいしょもんじょ
水戸市
本文書群は、平安末期以来、常陸国府内国衙(こくが)の一部局である「税所」に所属した百済氏(くだらし)系氏族が伝えた、鎌倉初期から南北朝後半期の間の文書計19点です。中世国衙の在庁官人関係古文書としては全国有数であり、とくに東日本に残るものとして貴重な文書群です。
この氏族は鎌倉期にはその税所氏を名乗りますが、同時に国衙内吏員(国司)との姻戚関係を結びつつ、いわゆる「在庁官人(ざいちょうかんじん)」として実力を保持しました。中でも掾官を世襲した大掾氏と一体化し、常陸国府の機能維持の背景ともなりました。
文書群の中には、前欠ではありますが、東日本唯一ともいわれる「大田文」が含まれています。鎌倉幕府か守護の要請を受けて、国衙が作成した提出用大田文の控えの文書です。また、南北朝内乱期の「軍忠状」も含まれ、「在庁官人」の武士化を如実に示しています。
東日本(東国)の中世国衙の実態を知りうる「在庁官人文書」として、あるいは「国衙文書」として高く評価されています。
なお、文化4年(1807)、水戸藩士の立原翠軒によって折帖に仕立てられています。
税所文書 19点
数 | 19点 |
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指定年月日 | 平成27年1月22日 |
所在地 | 水戸市緑町2-1-15 茨城県立歴史館 |
管理者 | 個人 |