いばらきの文化財

県指定 有形文化財 古文書

臼田文書 1巻・1帖

うすだもんじょ

稲敷市

臼田文書は、中世の在地武士臼田氏の鎌倉期から戦国末期・江戸初期までの動きを示す貴重な文書群である。現状は巻子と折帖とに分かれている。
巻子は7枚の料紙からなり、文書9通が書写されている。文書の内容は、臼田氏が鎌倉時代前半以降信濃国海野庄田中郷(しなののくにうんののしょうたなかごう)(小県郡(ちいさがたぐん)東部町)を代々継承してきた譲状(ゆずりじょう)と、それに基づいて出された幕府の安堵状である。7枚の料紙の継目裏のすべてに花押が据えられている。
折帖は台紙13枚で作られ、表・裏に合計45通の文書が貼付されており、臼田氏が南北朝末期に信濃国から常陸国南部に移住して、上杉家臣との関係を維持しながら、常陸国衆との交信を拡大し、在地社会での連携を深めている様子を窺うことができる。
今後、臼田文書が検討されることにより、常陸国南部の室町~戦国時代の武士層の動きが、地域社会の個性とともに解明されることが期待される。

臼田文書(折帖)第21号「関東管領家上杉憲実奉行人奉書」

臼田文書 1巻・1帖

1巻1帖
指定年月日 平成29年1月26日
所在地 稲敷市羽賀1156
管理者 個人