いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

鰐口

わにぐち

龍ケ崎市

鰐口は、寺社の堂前につるし、参拝者が引綱を振り打ち鳴らし祈念する金鼓(こんく)で、鼓面は柔らかに盛り上がり、たいへん力量感にあふれたものです。
鐘座(つきざ)は中央に蓮華紋(れんげもん)を鋳出し、表裏とも各3本の覆輪(ふくりん)付で、銅紐つり手が2か所ついており、表面の外輪にそって、左右に彫銘があります。右側に、「総州相馬郡河原代安楽寺鰐口也・天台堅者賢海法印住之砌」、左側に、「文和二年癸己六月十九日大勧進沙門榮金」とあります。
文和2年(1353)は、南北朝時代にあたり世情不安定な頃、天台宗の高僧賢海法院が安楽寺(あんらくじ)に来住されたのを記念して、寺院建立を司どる僧職である大勧進沙門榮金がおさめたものです。
なお、同年の「安楽寺推鐘・沙門榮金…」の銘がある梵鐘が千葉市郷土館に所蔵されています。

鰐口

1個
指定年月日 昭和33年3月12日
所在地 龍ケ崎市川原代町1050
管理者 安楽寺
制作時期 南北朝時代