いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

蒔絵櫃

まきえびつ

水戸市

櫃(ひつ)は、脚無を倭櫃(やまとびつ)、脚付を唐櫃(からびつ)といい、衣装そのほか調度類や法具などを入れるのに用います。
この櫃は、4本の脚を持った合口造(あいくちづくり)、四角海老胴(えびどう)の小型唐櫃(からびつ)で、蓋(ふた)と身の四隅、脚の上下に牡丹唐草文(ぼたんからくさもん)毛彫りの飾り金具を付けています。
また、蓋から各側面にかけて、全体黒漆地(くろうるしじ)に粟の穂を描き、粟の穂・葉脈を平蒔絵(ひらまきえ)で表わし、毛彫り、付描(つけがき)を加えるなど、意匠構成は巧みです。
このような意匠は、桃山時代から、江戸時代初期にかけてみられるものです。
その制作年代は、桃山時代と思われます。

蒔絵櫃

1合
寸法 高さ34.1cm、径27.3cm
指定年月日 昭和33年3月12日
所在地 水戸市西原2-12-25
管理者 個人
制作時期 安土桃山時代