いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

虎の刺繍

とらのししゅう

美浦村

「虎の刺繍」は木原城城主近藤利勝の娘、時姫の作と言われ、天文23年(1554)に時姫が永厳寺(えいがんじ)に寄進したとされています。
この頃は、武田信玄と上杉謙信の川中島の合戦が行われていた戦国時代の後半で、木原城の周辺も騒然としていた頃です。こうした時代背景の中、「虎の刺繍」と同様な虎をモチーフとした絵画が数多く描かれるようになりました。勇猛を表す虎は戦国武将に好まれたのでしょう。
「虎の刺繍」は二つあり、いずれも絹地に色糸を使って丁寧に刺繍されています。一つは竹林の中で居構える様子、もう一つは竹林の中を疾走する虎の姿が表現されており、現在でも色あせることなく見事な虎の姿を伝えています。

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虎の刺繍

1合
指定年月日 昭和33年3月12日
所在地 稲敷郡美浦村木原1941
管理者 永厳寺
制作時期 室町時代後期