いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

百万塔

ひゃくまんとう

結城市

木製彩色、一基、総高21.5cmです。
天平宝字8年(764)、太政大臣藤原仲麻呂は、新たに台頭してきた僧道鏡を排斥しようとして挙兵しますが失敗し、敗死しました(藤原仲麻呂の乱)。乱後、称徳天皇は仲麻呂や戦没した人々の冥福を祈るため、木造の三重塔を百万基造らせ、その中に陀羅尼経(だらにきょう)を納めさせました。なお、この時納められた陀羅尼経は大量印刷物としては世界最古といわれています。
百万塔は6年の年月を費やして完成し、法隆寺をはじめとする奈良の八大寺と摂津・近江の二寺に十万基ずつ寄進されましたが、現在は法隆寺に残るだけで、この塔も明治時代に法隆寺から出たものと言われています。
ろくろ仕上げ、白土下地彩色(はくどしたじさいしき)で、九輪(くりん)の下に「浄」の墨書(ぼくしょ)があり、九輪(くりん)と塔身は別製、塔身内部に陀羅尼一巻が納められています。

百万塔

1基
寸法 総高:21.5cm
指定年月日 昭和33年3月12日
所在地 結城市結城1404
管理者 個人
制作時期 奈良時代