いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

五鈷鈴

ごこれい

古河市

五鈷鈴は密教法具の金剛鈴(こんごうれい)と総称されるものの一種です。
金剛鈴とは、修法(しゅほう)の時に、衆生(しゅじょう)の眠れる仏心を呼び覚ますために振り鳴らすもので、鈴の上に把(つか)をつけたものをいいます。
本鈴は、総高25.5cm、把長9.0cm、鈷長8.6cm、鈴身高7.9cm、口径7.9cmに及び、大きさの点では、静岡県尊永寺(そんえいじ)の総高25.6cmの五鈷鈴や京都府教王護国寺(きょうおうごこくじ)の総高24.5cmの五鈷鈴とともに大形のグル-プに属します。
総体一連の鋳製で、銅質は黄銅系に近く、全面に一部やや赤味をおびた鍍金(ときん)を施し、鍍金は一部剥落しているものの、鮮やかで底面から鈴内の上部にまで及んでいます。
小さめの簡潔な素文鈴(すもんれい)に比して、装飾の多い太く大きな把部(つかぶ)や鋭利な鈷部(こぶ)の造りが目立つ作で、しかも、すべてに古式・初発性に富み、崩れや形式化などの全くみられない優品です。

五鈷鈴

1口
寸法 総高25.5cm(把長9.0cm、鈷長8.6cm、鈴身高7.9cm)、口径7.9cm
指定年月日 昭和38年8月23日
所在地 古河市小堤1405
管理者 円満寺
制作時期 平安時代