いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

太刀(無銘 葵くずし紋)

たち(むめい あおいくずしもん)

水戸市

無銘
刃長69.6cm 反り2.2cm 茎長19.9cm
江戸時代(19世紀)

水戸藩第9代藩主徳川斉昭の作刀であり、徳川第12代将軍徳川家慶佩用(はいよう:身に付けて用いるの意)の太刀である。斉昭が作った刀は、徳川家の家紋である葵紋を図案化したものを茎 (なかご:刀身の柄で被われる部分)に彫っていることから、「葵くずし」と呼ばれている。
この太刀の特色は「八雲鍛(やくもきたえ)」と称される斉昭が確立した鍛刀法にある。大板目肌(折り返し鍛錬した際に刀身に現れる模様で、そのうち材木の切り口に似ている模様をいう)が流れ、肌目の間に光り輝く異質がねが現れる特徴が見られる。
刃文は直刃(すぐは)が浅く湾(のた)れる(ゆるく波打つ曲線模様)ものが多く、刃縁にはほつれ(糸がほつれたような模様)が見える。
茎は先栗尻(栗のようにカーブした形)、鑢目(やすりめ)は切(横に平行線が入るもの)で、目釘穴上に葵くずしの紋を一つ切っている。

太刀(無銘 葵くずし紋)

1口
指定年月日 昭和38年8月23日
所在地 水戸市緑町2-1-15
管理者 茨城県立歴史館